著者
守倉 正博 松江 英明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.84, no.11, pp.1918-1927, 2001-11-01
被引用文献数
49

IEEE 802.11ワーキンググループは2.4GHz帯及び5GHz帯無線LAN標準規格を定めている団体である.近年, IEEE 802.11b準拠無線LANが, 有線イーサネットと同等な11Mbit/s伝送速度を達成できることから, 急速にオフィス環境や家庭内ネットワークとして普及しつつある.本論文では, 2.4GHz帯無線LAN規格についてIEEE 802.11b規格を中心に解説を行い, 現在更なる高速化標準が審議中のIEEE 802.11g規格について述べる.また, 今後広帯地域無線アクセス手段として広く用いられる5GHz帯無線LAN規格についてはIEEE 802.11aを中心に解説を行い, 欧州への適用を考慮したIEEE 802.11hの審議状況について概説する.
著者
飯塚 正孝 阪田 徹 溝口 匡人 高梨 斉 守倉 正博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.20, pp.43-48, 1999-04-23
被引用文献数
14 4

IEEE802.11規格に準拠した5GHz帯を用いたイーサネット対応高速無線LAN (EWA)のプロトタイプ開発に関して報告する。本システムは、ノートブック型PCなどに装着する無線端末(STA)と既存のLANとして一般的なイーサネットに接続するアクセスポイント(AP)によって構成される。昨年7月、IEEE802.11は5GHz帯の無線伝送方式として高速無線通信におけるマルチパス環境への耐性が優れたOFDM (Orthgodium Frequency Division Multiplexing)方式の採用を決定した。EWAは、OFDM方式を実装すると供にMAC (Medium Access Control)レイヤ機能を含めてIEEE 802.11に準拠した世界に先駆けて開発されたシステムであり、モバイル環境でのマルチメディア通信に適した20Mbit/sの高速無線アクセスを実現した。
著者
篠原 諒 村田 英一 吉田 進 山本 高至 梅原 大祐 田野 哲 守倉 正博
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.37, no.9, pp.25-28, 2013-02-13

周波数利用効率を向上させる技術として提案されているマルチユーザMIMO伝送を行うシステムをハードウェアで実装し実験的に検討を行っている.屋内環境におけるマルチユーザMIMO伝送実験の研究は報告されているが,屋外環境における伝送実験の報告は少ない.マルチユーザMIMO屋外伝送実験を行うためにUSRP (Universal Software Radio Peripheral)を用いて移動端末を試作した.USRPはソフトウェア無線端末の一種であり,安価に入手可能かつ小型であるため,持ち出しが容易な移動端末が複数台必要なマルチユーザMIMO屋外伝送実験に適している.USRPの制御には汎用OSを搭載したPCと専用のドライバであるUSRP Hardware Driverを用いた.本稿では,移動端末の試作,特に周波数安定性や送受信タイミング管理,EVMにより評価した伝送特性を含む諸特性について述べる.
著者
守倉 正博 田野 哲 梅原 大祐
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究により基礎的なスロット付きアロハ方式を用いたネットワークコーディング技術による多段中継システムについて,送信権に関して優先度をつけることにより,スループットが最適化される事を計算機シミュレーションおよび理論的に明らかにした.さらに,物理レイヤの熱雑音や電波干渉が無線中継システムに与える影響について理論的に明らかにした.また広く用いられているIEEE 802. 11規格による無線LANを用いた場合の宅内無線中継システムにおいて, CWmin制御やAIFSN制御を用いた新しい考案方式により,ネットワークコーディングを用いた場合のスループット特性の改善や,音声信号に対するQoS制御が可能であることを計算機シミュレーションにより示した.
著者
梅原 大祐 田野 哲 守倉 正博 杉山 隆利
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.276, pp.65-70, 2009-11-05

デジタルデバイドや不感地帯の解消を目的として無線中継局を用いた無線アクセスシステムが検討されている.前回の報告では,各無線ノードにCSMA(Carrier Sense Multiple Access)プロトコルを実装した2ホップ無線アクセスシステムにおいて,ネットワークコーディングを適用しない場合と適用した場合の双方において,中継ノードを介したエンドノード間が隠れノードでない場合とある場合のスループットを評価した.本稿では,中継ノードを介したエンドノード間が隠れノードである場合においてスループットに対するRTS/CTS(Request To Send/Clear To Send)の効果について検証する.RTS/CTSを導入したときのオーバーヘッドを評価するため,提案スループット解析モデルにIEEE802.11aのPPDU(PLCP Protocol Data Unit)フレーム構成,IFS(Interfame Space)時間及びスロットタイムを適用する.ここで,PLCPはPhysical Layer Convergence Protocolの略である.解析の結果,オーバーヘッドの増加にかかわらず,RTS/CTSとネットワークコーディングにより高いコーディングゲインが得られることを明らかにする.
著者
守倉 正博 梅比良 正弘 阿部 宗男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.84, no.2, pp.105-111, 2001-02-01
被引用文献数
11

無線アクセスは, 比較的低コストで迅速にアクセスネットワークを展開できることから, インターネットアクセス等の広帯域サービスの早期展開手段, あるいは地域通信市場への新規参入者にとっての経済的なアクセスネットワーク構築手段として注目されている.本文では, 高速・広帯域化が進む無線アクセスの動向について述べるとともに, マイクロ波帯から準ミリ波・ミリ波帯を用いた各種無線アクセスシステムの例を紹介し, 無線アクセス技術を展望する.
著者
梅原 大祐 平野 智也 田野 哲 守倉 正博
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IN, 情報ネットワーク (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.60, pp.19-24, 2008-05-22
被引用文献数
7

無線システムのシステム容量の拡大を目的として,マルチホップによる無線中継ネットワークが検討されている.一方,システム容量の拡大の一つの技術として,ネットワークコーディングが注目されている.本稿では,不均一なトラヒック環境下における,2ホップ無線中継Slotted ALOHAシステムに対して,ネットワークコーディングを適用した場合のスループット,パケット送信回数,伝送遅延を解析的に導出する.解析結果は中継ノードのバッファの状態に関する待ち行列システムを解くことによって導かれる.