著者
舛石 俊樹 酒井 義法 細谷 明徳 鈴木 健一 伊藤 剛 鎌田 和明 水谷 佐和子 村野 竜朗 相馬 友子 永山 和宜 草野 史彦 田沢 潤一 鈴木 恵子
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.52, no.7, pp.461-467, 2011 (Released:2011-08-18)
参考文献数
20

症例は23歳女性.38℃台の発熱・倦怠感・嘔気・関節痛が出現したため,当院救急外来を受診した.インフルエンザ迅速診断キットでインフルエンザA型陽性のためインフルエンザウイルス感染症と診断された.また,血液検査ではトランスアミナーゼの著明な上昇とPTの低下を認め,急性肝炎重症型の診断で当科に緊急入院した.与芝らの劇症化予知式により劇症化の可能性があると判断し,劇症肝炎に準じて血漿交換療法・ステロイドパルス療法を施行した.第2病日よりトランスアミナーゼ・PTの改善を認め,第12病日退院した.肝障害の成因として薬物性肝障害の可能性は否定できなかったが,臨床経過からは新型インフルエンザ(以下A/H1N1 pdm,PCR法で診断)感染が成因である可能性も否定できなかった.A/H1N1 pdm感染による高サイトカイン血症を契機に急性肝炎重症型を発症したと考えられる1例を報告する.
著者
福田 将義 大坪 倫代 徳山 理恵 山田 透子 村野 竜朗 加藤 知爾 井上 大 清水 寛路 小田柿 智之 岡宮 聡 村田 直樹 小倉 祐紀 竹縄 寛 芝 祐信
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.44-47, 2009-12-10 (Released:2013-07-29)
参考文献数
8
被引用文献数
1 1

内視鏡的大腸ポリープ切除術について,後出血の危険因子および後出血予防処置としてのクリッピングの有効性について検討を行った。2004年から2007年の4年間に,当院にて施行した1049病変について解析を行った。出血例は26病変に認められ,出血率は2.5%であった。病変部位,病変の大きさ,病変形態,切除方法,組織型,クリップ施行の有無について検討を行った。後出血の要因として,病変部位としては左側結腸,大きさは15mm以上,病変形態は広基性または10mm以上の有茎性,切除方法は分割切除,組織型は腺癌であった。クリッピングの有効性については,施行例・非施行例での背景が異なっており,有効性を示すためには施行規準を設けた前向き研究が必要と考えられた。