- 著者
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松倉 信幸
- 雑誌
- 鈴鹿大学・鈴鹿大学短期大学部紀要第4号 2021 = Journal of Suzuka University and Suzuka Junior College Vol.4 2021 (ISSN:24356530)
- 巻号頁・発行日
- no.4, pp.95-104, 2021-04-01
円滑なコミュニケーションを行うために,話し手と聞き手との間の人間関係により,ことばの選択が行われる.本稿は,「相手との心理的距離感」をあまり感じさせない対人コミュニケーションについて,ブラウン&レヴィンソンの主としてポジティブ・ポライトネスおよび「フェイス侵害度」を理論的根拠として,日英語間に見られるコミュニケーションの差異についても念頭に置き考察を加えた.具体的な事例分析について,第1に着目した点は,相手との心理的距離を縮める呼称および人称代名詞である.第2点は相手との心理的距離を縮める付加疑問,命令文,および現在分詞などの文法構造である.そして,第3点目は,積極的表現,欠点を表明する表現,そして相手の視点から見る呼びかけ語を用いた表現について,日英語における表現の差異について分析を試みた.