著者
松岡 昌則
出版者
東北社会学会
雑誌
社会学年報 (ISSN:02873133)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.35-42, 2011-07-16 (Released:2014-02-07)
被引用文献数
1

今日の農業・農村をとりまく状況は厳しさを増している.本報告は,自らの農業の維持のために,水田単作の従来型農業からの脱却を目ざす農業経営の改革の事例を取り上げる. 北海道夕張郡長沼町は水田の生産調整面積が5割を超え,農業経営の改革が余儀なくされている.JN区は畑作,酪農,直売所,グリーン・ツーリズム,観光農業等の多様な経営を展開させ,それにともない社会関係は変化する.しかしそうした変容する社会関係に対して,人々は将来の生活の展望を見据えて,村落内社会関係を組み替えながらも区のまとまりを維持しようとしている.北海道においても,村落は居住集団として大きな役割をもっている.
著者
鎌田 とし子 鎌田 哲宏 大野 剛志 栗田 克実 羽原 美奈子 高波 澄子 信木 晴雄 佐々木 悟 豊島 琴恵 嶋崎 東子 松浦 智和 松岡 昌則 北島 滋 山下 由紀夫 中澤 香織 石川 紀子 菅原 千鶴子
出版者
旭川大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、北海道北部地域にある集落を3か所(北海道中川郡音威子府村、増毛郡増毛町、上川郡東川町)選び、①限界集落、②維持集落、③再生・発展集落とし、3者の比較を行うことで、集落の限界化が進行する社会的要因を探求する実態調査を行った。その結果、人口流出を阻止する要因は5万円程度の雇用機会であり、最低生活を維持できる自給経済と、無償の相互援助関係の存在であった。生産性の高い農地は、借り手と買い手がいるため、農業企業が出現し、周辺地域に雇用市場が発生した。また、子育て支援策と団地造成で人口流入が進むことが明らかになった。