著者
松島 亘志 室山 拓生 木川田 一弥
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.3, pp.C-0610, 2023 (Released:2023-03-20)
参考文献数
25

ブルドーザーによる土砂敷き均し作業の効率化と将来の自動運転を目指し,本研究ではリアルタイムフィードバックが可能な敷き均し高速シミュレーターを開発した.まず,実機による敷き均し実験および個別要素法解析での土砂観察により,(1)押し出し土砂量が少ない場合は,土砂がブレード前面に局所的に盛り上がる,(2)押し出し土砂量が多い場合は,土砂マウンド中にすべり面が形成され,上部土砂が剛体的に押し出される,(3)押し出された土砂によってマウンド前面に形成される急斜面が崩壊する,という3つのメカニズムを確認した.その上で,このメカニズムを基にした敷き均しアルゴリズムを構築し,その解析結果を,個別要素法解析および実機実験の結果と比較したところ,リアルタイム解析が可能な計算速度で,妥当な解析結果が得られることがわかった.
著者
竿本 英貴 松島 亘志 山田 恭央 羽田野 祐子
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
応用力学論文集 (ISSN:13459139)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.649-657, 2006-08-25 (Released:2010-06-04)
参考文献数
19
被引用文献数
2 1

Recent ground pollution is a pressing problem and which has been widely studied in the field of geotechnical and geological engineerings. Although a porous media flow plays an important role from the aspect of ground pollution and it is governed advection-dispersion equation (ADE), however, the solution of ADE can not discribe the cardinality change observed in a field study. In order to circumstantially comprehend the essence of above fluid flow through the porous medium, a microscopic approach is employed. We constructed an accurate simulation model by means of image-based modeling technique with a series of high-resolution X-ray CT images of Toyoura sand acquired at SPring-8. Then, a series of porous media flow simulations using the SPH (Smoothed Particle Hydrodynamics) was performed to obtain the distribution of pore fluid velocity vectors and macroscopic permeability coefficient by averaging the velocity of SPH particles inside the model. The calculated macroscopic permeability coefficient conformed closely to the canonical value measured in a permeability test and the estimated velocity distribution was compared with some experimental result and discussed its properties.
著者
当流谷 啓一 松島 亘志
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集A2(応用力学) (ISSN:21854661)
巻号頁・発行日
vol.73, no.2, pp.I_527-I_534, 2017 (Released:2018-01-31)
参考文献数
26

隕石衝突によるクレーター形成プロセスは,惑星表層の地形・地質進化に重要な役割を果たすため,その力学的メカニズムの詳細な解明が求められている.本研究では,NASAの月周回無人衛星(LRO)に搭載されたカメラ(LROC)の高解像度データを利用し,海と高地の比較的若い月面クレーター136個を対象として,その分析を行った.また,2次元SPH法を用いた数値解析を行い,様々なサイズのクレーターの形状特性や生成過程を調べて,観測との比較を行った.その結果,クレーターの直径に対する深さの比は,直径が10kmを超えると急激に減少すること,クレーター直径が20km以上では中央丘が現れること,などの特徴に対して,画像解析とSPH解析の結果が一致した.またクレーター中央丘は,隕石衝突直後に形成される掘削抗の斜面が内側に円弧滑りを生じることによって,より深い場所の岩石物質が表層に持ち上がる事によって形成されること,その円弧滑りメカニズムがクレーター直径深さ比の変化に影響を及ぼしている可能性があることが解析により示唆された.
著者
山田 恭央 間渕 利明 境 有紀 山越 隆雄 八木 勇治 松島 亘志 庄司 学
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究では、大規模斜面災害に対する予測精度向上を目指して(1)最新の国土基盤情報データベースを導入した解析支援システムの構築(2)高精度な強震動予測手法の開発(3)地盤の飽和度が斜面流動に及ぼす影響の検討と(4)降雨による集水地形評価・危険斜面の簡易抽出・斜面崩壊危険度および流動範囲予測を組み合わせた多段階斜面崩壊・流動シミュレータの開発(5) 斜面崩壊危険度を地震動特性から予測する被害関数の構築、および(6)斜面崩壊に伴う道路インフラ等の被害の類型化と被害関数の構築を行った。