著者
大竹 修 其田 三夫 松川 清 福本 真一郎 高橋 清志 黒沢 隆
出版者
公益社団法人 日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌(The Japanese Journal of Veterinary Science) (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.618-620, 1989-06-15 (Released:2008-02-13)
参考文献数
8
被引用文献数
4 4

岡山県に発生した秋期結膜炎の79例について臨床学的,寄生虫学的,および病理組織学的に検索した.その結果,本症はSetaria digitataの幼若虫が結膜内に迷入して,局所性のアレルギー反応を起こすことに起因していることが判明した.治療には局所の乱刺と副腎皮質ホルモンの塗擦または同剤の結膜内注射および腫大した病変部の外科的切除が有効であった.
著者
藤本 胖 門田 耕一 森口 良三 桐生 啓治 松川 清 千早 豊
出版者
Japanese Society of Equine Science
雑誌
日本中央競馬会競走馬総合研究所報告 (ISSN:03864634)
巻号頁・発行日
vol.1982, no.19, pp.69-88, 1982-12-01 (Released:2010-08-10)
参考文献数
39

過去30年間 (1949-1979) に集められた馬白血病群 (EL) 14頭が病理形態学的に観察され, 腫瘍細胞の特徴により次の型に分類された。A. リンパ肉腫12例: リンパ球性リンパ肉腫 (2例), リンパ球性及び前リンパ球性リンパ肉腫 (3例), リンパ芽球性リンパ肉腫 (1例), 未分化組織球性リンパ肉腫 (1例), 組織球性リンパ肉腫 (2例) 及び組織芽球性リンパ肉腫 (1例)。B. 幹細胞性白血病1例。C. 骨髄性白血病1例。14例は2乃至3歳馬5例, 8乃至17歳馬6例, 年齢不詳馬3例よりなっていた。リンパ肉腫罹患馬12例は多中心型9例, 消化器型1例, 孤立リンパ腫2例よりなっていた。2例が皮下組織腫瘍を伴っていた。ELに最も頻繁に冒される臓器はリンパ節で, 次で脾臓, 腎臓, 腸及び肝臓であった。心臓, 肺, 胸腺, 躯幹筋及び皮膚はより低い頻度で冒されていた。組織球性リンパ肉腫の超微形態において, 特に粗面小胞体の分布及び構造に幅広い変化が見られた。腫瘍細胞の細胞質において, 大型空胞が屡々見られた。高度な多形性の核と著しく大きい核小体, 拡大したゴルジー野, 豊富なブリーリボゾームは高度な代謝活性を示すものである。電顕的検索では何処にもウイルス粒子を見ることは出来なかった。