- 著者
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北野 菜奈
福本 真一郎
徳山 桂理
池田 恵子
高橋 俊彦
- 出版者
- 日本家畜臨床学会
- 巻号頁・発行日
- vol.9, pp.1-6, 2018 (Released:2018-10-02)
プアオン式イベルメクチン製剤は公共牧場において長期間継続的に使用されており,消化管内線虫駆虫に有効である。本研究では,駆虫を行っていない牧場を用いて駆虫計画を立案し,対象農場に適した駆虫のタイミングを模索するために,イベルメクチン製剤による駆虫を実施した。駆虫は試験区にのみ5月,7月,10月に行った。消化管内線虫卵数において試験区が対照区と比較し6月と8月で有意に低値を示し,試験区において7月と比較し8月,10月が有意に低値であったこと,体重において試験区で7月と比較し駆虫後の8月が有意に増体したこと,繁殖成績でも試験区が良好な傾向を示したことは,イベルメクチン製剤による駆虫から得られた効果であると考えられた。イベルメクチン製剤は世界的に牛で薬剤耐性が報告されている。今回のような投与回数を必要最小限に抑えた駆虫プログラムであれば薬剤耐性は容易に起こらないと思われた。