著者
松本 佳穂子
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

近年その進歩がめざましいライティング自動採点システムを、英作文の評価だけでなく指導にも利用する授業モデルを構築し、その効果の検証を行った。まず自動採点システム自体の精度を分析すると共に、文法や語法指導などをそのシステムに委ね、教師がより重要な側面である内容、構成、論理展開などの指導に時間と労力をさけるような授業モデルが、通常授業とほぼ同程度の学生の伸びをもたらすという結果を得た。更に学生の特性によって適切なモデルが違うことが判明したので、その違いに合わせたモデルの最適化を図った。
著者
山田 政寛 松本 佳穂子 赤堀 侃司
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.15-24, 2009
被引用文献数
3

高帯域ネットワークが普及し,テキストチャットなどの同期型CMCツールは日常的なコミュニケーションツールとして利用が増加している.しかし,第二言語コミュニケーション学習の中で実践利用が乏しく,どのように利用するべきか知見が少ない状況にある.本研究では第二言語コミュニケーション教育に特化した同期型CMCを開発し,授業において評価を行った.具体的にはビデオカンファレンスとテキストチャットを使用し,主観的評価として,学習意識,相手への親近感,学習満足度について質問紙で,学習パフォーマンスの点では発言数,定型表現利用数,自分で自分の発言の誤りを修正する自己修正数で実践の事前事後で比較評価を行った.その結果,ビデオカンファレンスは意味伝達を強く意識し,会話の自信がつくなどの情意面に有効であり,また全てのパフォーマンスが向上することが示された.一方,テキストチャットでは文法的な正確性意識を向上させる効果があることが示された.