著者
緒方 広明 殷 成久 毛利 考佑 大井 京 島田 敬士 大久保 文哉 山田 政寛 小島 健太郎
出版者
教育システム情報学会
雑誌
教育システム情報学会誌 (ISSN:13414135)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.58-66, 2016-04-01 (Released:2016-05-07)
参考文献数
18
被引用文献数
1

Educational Big Data (EBD) and Learning Analytics (LA) have being attracted enormous attention in recent years. Data collection process is the first step of EBD and LA. Based on the data source, data collection can be classified into two categories: manual data collection, and automatic data collection. This paper describes two educational systems: SCROLL (System for Capturing, Reusing, Reminding Of Learning Logs) as manual data collection and, M2B (Moodle, Mahara, Booklooper) as automatic data collection.
著者
渡邊 由紀子 合田 美子 山田 政寛 益川 弘如 兵藤 健志
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究の目的は,研究や教育のためのリソースが集約されている大学図書館が授業外学習支援を積極的に行うために,大学図書館員の専門性を図書館情報学だけではなく,教育工学及び学習科学の観点を含めて再構成し,それに基づいた教材と学習システムを開発し,効果を評価することにある。そのため,学習支援を担当する大学図書館員を対象としたeラーニングの学習教材を開発し評価するとともに,それらの教材を通じて学んだ知識やスキルの転移を支援できるように,学習科学の研究知見であるアンカードインストラクションを活用したストーリーベースのビデオ教材を開発し評価した。
著者
福山 佑樹 山田 政寛
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.201-210, 2019-01-20 (Released:2019-02-02)
参考文献数
42

高等教育を取り巻く状況が変化するに従って,アクティブラーニングという概念が注目されるようになった.アクティブラーニングとは非常に広範な活動を含む概念であり,それ故にその実践においては,目的が曖昧になることや,評価が難しくなるなどの課題がある.本稿では,日本教育工学会に採録された教育実践研究論文の中から,高等教育におけるアクティブラーニング実践研究を対象として,その特徴を「育成したい能力・知識」,「授業デザイン」,「評価」のそれぞれと三者のつながりという観点から検討する.そしてこれらの検討から浮かび上がる,今後の高等教育におけるアクティブラーニング実践研究に対する展望を述べる.
著者
山田 政寛 橋 洋平 香川 文恵 岡部 幸祐
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.53-56, 2011
参考文献数
10
被引用文献数
1

本研究では,図書館内に設置された協調学習空間の,学習者の学習の情意面に対する効果について検討を行った.協調学習空間内で学習していた利用者に対し,質問紙で協調学習空間内にある什器類,図書館内の文献利用のしやすさ等が学習者にもたらす効果と満足度について回答を求めた.その結果,可動性の高い机や小型のホワイトボードの有効性と図書館内の文献利用がしやすいことなどが高い値を示した.続いて各項目間で相関分析を行ったところ,協調学習空間内に設置された什器類のもたらす効果,図書館内の文献利用のしやすさ,協調学習空間内における学習の有効性の間に弱から中程度の有意な正の相関が確認された.
著者
山田 政寛 北村 智
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.353-362, 2010
参考文献数
38
被引用文献数
1

教育学習研究において社会的存在感が着目されてきている.社会的存在感は学習意欲の向上や学習満足度の向上に対して有効であるとされているが,これらの知見は1つの社会的存在感の概念で説明されたものではない.社会的存在感の考え方が複数存在し,その違いによって研究知見も異なる.システムデザインや協調学習の評価のためには,「社会的存在感」に関する考え方や知見が整理されていることが望ましい.本稿では「社会的存在感」概念に関する考え方をSHORTらの考え方,GUNAWARDENA,TUらの考え方,GARRISONらの考え方に大別し,それぞれの考え方ごとにどのような研究が行なわれているのかを整理する.またその3つの考え方にもとづく測定法を整理することで「社会的存在感」概念が何の評価に関わるのかを議論する.
著者
村上 正行 山田 政寛
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.181-192, 2012

本論文では,FDに関する歴史や政策の動向,定義,推進主体などについて説明した上で,大学教育・FDに関する研究について調査,分析を行った.授業,カリキュラム,組織的なFDの3つのレベルに分類し,紹介した.そして,教育工学研究者が大学教育やFDに対してどのような役割を担うべきか,今後どのような研究を行なっていくべきか,について検討した.教育工学研究者は,大学教育やFDにおける現代の問題について,教育政策も踏まえながら,実践を通した研究を行うことが求められていると言え,今後,大学教育の改善やFDに関する研究を発展させていくことが必要であると考えられる.
著者
藤本 徹 山田 政寛
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.37, no.3, pp.343-351, 2013

近年,ゲームの教育利用への関心は世界的に高まっており,研究枠組の精緻化や学習成果の評価に関する知見が蓄積されてきている.インフォーマル・ラーニングの領域においても,ゲームを利用した学習環境デザインの研究が進展している一方で,研究上の課題も示されている.本論文では,ゲームの教育利用に関する研究・実践や評価方法に関する研究について,最近20年ほどの間に取り組まれてきた海外における研究の動向を調査し,主要な論点の整理と今後の課題を検討する.そして,研究枠組や評価方法を整理して考察し,この分野の研究の今後の方向性を議論する.
著者
合田 美子 山田 政寛 石毛 弓 山本 佐江 田中 洋一
出版者
熊本大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究では、自身の成長のために有用なフィードバックを誘起するために必要な要因を明らかにし、体系的にモデル化することを目的としている。研究方法は、データ駆動型アブローチとナレッジ駆動型アプローチを組み合わせる。研究範囲は、学習者とフィードバック提供者の1対1の場面、研究会のような学習者と複数のフィードバック提供者がいる1対多の場面とする。また、フィードバックをもらう場面だけでなく、その前後の要因も含め、動的・静的なフィードバック誘起要因を同定する。本研究では、フィードバックの提供だけでなく、学習者からの働きかけにより、より質の高いフィードバックを誘起する手法を提案する。
著者
山田 政寛 北村 智
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.3, pp.353-362, 2010-01-20 (Released:2016-08-06)
参考文献数
38
被引用文献数
3

教育学習研究において社会的存在感が着目されてきている.社会的存在感は学習意欲の向上や学習満足度の向上に対して有効であるとされているが,これらの知見は1つの社会的存在感の概念で説明されたものではない.社会的存在感の考え方が複数存在し,その違いによって研究知見も異なる.システムデザインや協調学習の評価のためには,「社会的存在感」に関する考え方や知見が整理されていることが望ましい.本稿では「社会的存在感」概念に関する考え方をSHORTらの考え方,GUNAWARDENA,TUらの考え方,GARRISONらの考え方に大別し,それぞれの考え方ごとにどのような研究が行なわれているのかを整理する.またその3つの考え方にもとづく測定法を整理することで「社会的存在感」概念が何の評価に関わるのかを議論する.
著者
松田 岳士 山田 政寛
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.33, no.Suppl., pp.113-116, 2009-12-20 (Released:2016-08-06)
参考文献数
5
被引用文献数
3

本研究は,eラーニングコースの学習支援担当者にとって進捗管理の重要なポイントであるメッセージ発信タイミング決定の判断基準を探るものである.具体的には,大学が提供する非同期・分散型のeラーニングコースにおいて,学習計画を立てる習慣がある学習者とそのような習慣がない学習者が,実際の学習活動においてどのような差異を示すのかについて調査した.その結果,学習計画を立てる習慣のある学習者は,習慣のない学習者に比べると深夜に学習することが少なく,また,コース実施期間の中期にも学習するといった特徴があった.
著者
山田 政寛 岡本 剛 島田 敬士 木村 拓也 大久保 文哉 小島 健太郎 緒方 広明
出版者
九州大学基幹教育院
雑誌
基幹教育紀要 = Bulletin of kikan education (ISSN:21892571)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.61-72, 2016

Higher educational organizations are required to improve educational quality recently in order to faster active life-long learners, and take several educational methods for that purpose such as the establishment of learning support out of class settings for active learning. Portfolio, in particular, e-portfolio is one of the helpful tools to promote the reflecting and planning of learner's learning outcome, which play an important role in the promotion of active learning. £-portfolio allows learner to store, manage, access, and maintain their learning outcome using electric devices, on the other hand, it has the functional limitations such as handwriting and annotations. However, the difference of learner's perceived effects on their learning is under the discussion, due to the lack of the findings about comparative research between e-portfolio types. This research aims to investigate the differences of the learner's perceived effects on their learning with between paper-based and e-portfolios. The findings reveal that paper-based portfolio was more effective than e-portfolio, in terms of the instructor's presence and the perceived ease of the access to the feedback from instructors. The perceived effects of e-portfolio in terms of the management and access ware superior to that of paper-based portfolio.
著者
山田 政寛
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.189-197, 2018-01-31 (Released:2018-02-05)
参考文献数
33

近年の情報通信技術の発展により,教育の場面でも情報通信技術が使われるようになった.情報通信技術を教育や学習の場面で利用するメリットは学習に関係するログが残ることである.このログも含めて,多角的に教育・学習に関する分析を行い,教育や学習環境の改善に寄与することをラーニング・アナリティクスと言い,その研究が世界的に広がりを見せている.本稿では,ラーニング・アナリティクス研究に関する国内外,特にラーニング・アナリティクス研究の専門誌であるJournal of Learning Analytics の掲載論文の傾向を中心の紹介をし,ラーニング・アナリティクス研究の現状と今後の方向性について述べる.
著者
山田 政寛 松本 佳穂子 赤堀 侃司
出版者
日本教育情報学会
雑誌
教育情報研究 (ISSN:09126732)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.15-24, 2009
被引用文献数
3

高帯域ネットワークが普及し,テキストチャットなどの同期型CMCツールは日常的なコミュニケーションツールとして利用が増加している.しかし,第二言語コミュニケーション学習の中で実践利用が乏しく,どのように利用するべきか知見が少ない状況にある.本研究では第二言語コミュニケーション教育に特化した同期型CMCを開発し,授業において評価を行った.具体的にはビデオカンファレンスとテキストチャットを使用し,主観的評価として,学習意識,相手への親近感,学習満足度について質問紙で,学習パフォーマンスの点では発言数,定型表現利用数,自分で自分の発言の誤りを修正する自己修正数で実践の事前事後で比較評価を行った.その結果,ビデオカンファレンスは意味伝達を強く意識し,会話の自信がつくなどの情意面に有効であり,また全てのパフォーマンスが向上することが示された.一方,テキストチャットでは文法的な正確性意識を向上させる効果があることが示された.