著者
伊藤 太一 楠見 淳子 松本 顕
出版者
九州大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2022-06-30

近年我々のグループは刺胞動物のヒドラが眠っていることを分子レベルで実証し、これにより、睡眠の起源は動物が脳を獲得するよりも古いことが示された。そこで、次の問いとして、『神経系は睡眠に必須なのか』を検証する。ヒドラでは薬剤処理によって神経系を喪失させることが可能である。この全く動けない『寝たきり』状態のヒドラが眠っているのかどうかを分子レベルで判定し、睡眠には神経系が必須要素なのかどうかを判断する。これは、これまで当然と考えられてきた「睡眠は神経系が担う」という通説に挑む研究である。
著者
宮竹 貴久 松本 顕 富岡 憲治 谷村 禎一 松山 隆志
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

開花、サンゴの配偶子放出、昆虫の交尾など生殖を行う時刻や季節が決まっている生物は多い。1つの集団内に生息する個体どうしでも、おたがいが生殖するタイミングがずれると交配が妨げられ生殖的な隔離が生じる。このような時間的生殖隔離に関与すると考えられる生態分子遺伝基盤を解明した。具体的には交尾時刻が5時間異なるミバエの集団間で体内時計を支配する遺伝子を調べた結果、クリプトクローム遺伝子のアミノ酸置換サイトに変異が生じていた。