著者
宮竹 貴久 大前 雄介
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.133-135, 2014-05-25 (Released:2014-11-15)
参考文献数
21
被引用文献数
3 2

The cigarette beetle, Lasioderma serricorne (Fabricius), is an important pest insect, that feeds on various dry foods, including wheat, forage crops, snacks, dried noodles, and chili. In this study, we investigated the difference in their attraction to direct and reflected lights in a chamber. Reflected lights are attractive to insects, but direct lights do not attract them, which is a new finding.
著者
宮竹 貴久 伊良部 忠男 比嘉 良次
出版者
九州病害虫研究会
雑誌
九州病害虫研究会報 (ISSN:03856410)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.102-105, 1993-11-15 (Released:2009-05-22)
参考文献数
1

1.ウリミバエの不妊雌が野外でウリ類果実に刺し傷を生じさせるかどうかについて検討した。2.野外網室内の鉢植えに成ったウリ類果実に不妊雌を放して刺し傷を作らせ,その特徴を解析し不妊雌による刺し傷の判定基準の作成を試みたところ,不妊雌によって生じた刺し傷は5タイプに分類できた。3.不妊雌による刺し傷の特徴はウリ類の種類によって異なった。4.この判定基準をもとにウリミバエ不妊雌による栽培ウリ類の推定被害果実率を野外で求めたところ,キュウリ,ヘチマ,ニガウリのいずれにおいても被害果実率は1%以下であった。よってウリミバエ不妊雌の刺し傷によるウリ類栽培への経済的被害は極めて小さいと考えられた。
著者
宮竹 貴久 岡田 賢祐
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

オオツノコクヌストモドキの闘争行動の勝敗と記憶力の関係を調べた。本種のオスは勝利の経験は覚えないが、敗北の経験は4日間覚えていた。人為選抜実験によって闘争の記憶時間には遺伝変異のあることを明らかにした。本種では敗北期間中は戦いに投資しないが、射精への投資を増やした。オスは敗北経験による学習によって、交尾後のオス間競争である精子競争の投資を調整した。さらに雄同士が後脚を用いて配偶者獲得のために闘争するホソヘリカメムシを用いて闘争行動に明瞭な日内パタンのあることを明らかにした。
著者
宮竹 貴久
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
日本生態学会誌 (ISSN:00215007)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.10-24, 2006-04-25 (Released:2016-09-06)
参考文献数
114
被引用文献数
1

花の開花、珊瑚の配偶子放出、昆虫の交尾など、生殖活動を行うタイミングが決まっている生物は多い。集団間で繁殖するタイミングがずれると生殖隔離が生じる。本論では、生殖隔離において生物の時間的な側面がどのように関わっているのかについて議論する。多くの生物の行動や生理的な反応は、一定間隔で生じる事象、すなわちリズムを伴って生じる。生物リズムは、約1日に近い周期の長さを持つサーカディアンリズム、それよりも長いインフラディアンリズム(>24h)、それよりも短いウルトラディアンリズム(<24h)の3つに分けられる。野外で生殖隔離に生物の時間現象が関わっているとされる事例についてこの3つのリズムの分類に沿って紹介する。次に、近年急速にその理解が進んだ体内時計を司る分子遺伝的機構と異時的な生殖隔離(Allochronic reproductive isolation)の関わりに着目して研究されたショウジョウバエとミバエの研究事例を紹介する。とくに時計遺伝子の多面発現効果が、交尾時刻の変化を介した生殖隔離を引き起こしうる可能性についてウリミバエを用いたモデル研究について解説する。最後に、アロクロニックな生殖隔離の研究における今後の問題点について議論する。時計遺伝子と種分化の関係という新しい研究領域が開かれつつある。
著者
宮竹 貴久 松本 顕 富岡 憲治 谷村 禎一 松山 隆志
出版者
岡山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

開花、サンゴの配偶子放出、昆虫の交尾など生殖を行う時刻や季節が決まっている生物は多い。1つの集団内に生息する個体どうしでも、おたがいが生殖するタイミングがずれると交配が妨げられ生殖的な隔離が生じる。このような時間的生殖隔離に関与すると考えられる生態分子遺伝基盤を解明した。具体的には交尾時刻が5時間異なるミバエの集団間で体内時計を支配する遺伝子を調べた結果、クリプトクローム遺伝子のアミノ酸置換サイトに変異が生じていた。