著者
松村 勝弘
出版者
立命館大学経営学会
雑誌
立命館経営学
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.29-54, 2002-03
著者
田尾 啓一 松村 勝弘
出版者
日本財務管理学会
雑誌
年報財務管理研究 (ISSN:09171738)
巻号頁・発行日
no.23, pp.1-18, 2012-03-31

多くの大手金融機関は,従来からBIS規制対応をベースとしたリスク・マネジメントを整備していたにもかかわらず,サブプライムローン問題からリーマン・ショックの過程で,経営危機を経験することとなった。こうした中で,タレブの『ブラック・スワン』をはじめとする一連の著書,論文は,従来のリスク認識に大きな変革をもたらすものとして注目されている。本稿はこうした考え方の背景にある従来の金融工学/経済理論の問題を整理し,その上に立脚する企業価値経営のフレームワークを考察したうえで,経済危機をもたらす周辺分布に対するリスク・マネジメントの視点から従来の企業価値経営とは一線を画すリスク・バッファーの重要性を述べる。
著者
飛田 努 松村 勝弘 篠田 朝也 田中 伸
出版者
日本財務管理学会
雑誌
年報財務管理研究
巻号頁・発行日
no.25, pp.1-17, 2014

本稿は,2010年夏に東京証券取引所第1部上場企業を対象として実施したアンケート調査から得られた結果をもとに,日本企業の経営管理システムと企業業績との因果関係を分析したものである。その結果,以下の点が明らかになった。(1)企業価値や利益を重視することは人事制度や業績連動給与に正の影響を及ぼす。(2)人事制度や業績連動給与といった評価システムが組織成員のコミュニケーションに正の影響を及ぼす。(3)社員のコミュニケーションがそのモチベーションに正の影響を及ぼす。(4)これらのシステムとは独立して,価値観を共有することは組織成員のモチベーションに正の影響を及ぼす。(5)サンプル全体ではモチベーションの向上により,業績(ROA)に正の影響を及ぼす。
著者
松村 勝弘 川越 恭二 井澤 裕司 平田 純一 富田 知嗣 澤邉 紀生 村山 嘉彦 荒川 宜三 豊原 紀彦 荒井 正治 八村 廣三郎
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1997

(研究・教育システム)われわれは,立命館大学において.経済・経営・理工の学部横断的な研究・教育システムづくりの一環として,ファイナンス・インスティテュートを設置し,一昨年来その研究教育システムの開発に取り組んできた。これは,現代企業に突きつけられている複雑な課題を文理総合型の新たな仕組みの中で,その解決策を発見できないかと考えたからである。このような取り組みは,学際的な研究教育の仕組み作りを必要とした。(データ・ベース)そこで,ファイナンス分野での研究・教育をすすめるために,現存のマクロ・データ,株価データ,企業財務データなどのデータを総合的に分析するための研究・教育用ソフトウェアを,バックグラウンドを異にする研究者の協力共同のもとで,開発した。と同時に,別途資金により日経クイック社の協力を得て新たなデータ・ダウンロードのためのもう一つの仕組みも完成させ,これも併用している。これらは学生初学者用ウェッブ・ページ版と中級上級用バッチ処理版およびアクセス対応版の三本立てでデータベースへのアクセスをする仕組みを完成させるとともに日経クイック版とあわせ,これらの研究・教育の両面からの利用を進めてきた。それぞれ一長一短がある。今後もこれらの改善すすめる予定である。ここで最大の問題は,環境その他日進月歩でできあがったものがすぐに陳腐化してしまうことである。そこで,科研以外の資金も活用しつつ,かつ日経クイック,大和SBをはじめとする資金力のある外部機関との共同の取り組みでこれに対応しようとしている。(教育プログラム)教育プログラムとしては,2000年度開講の『金融市場分析実習』の内容となるものを共同して研究し,これを教育に活用したが,なお改善の余地があると考え,現在さらに改善しテキストにしようとしている。その第一の内容は,証券アナリスト資格要件の一つとして,財務分析,の学習が課されており,これを含んで,実際のアナリスト業務を行うにあたっての素養としての企業分析の実習を内容とする。第二は,ファイナンシャル・エコノミクスに基づいた金融市場分析を内容とする。これについては,別途大和SBが開発したPoet-SBを活用した教育を進めてきている。これらについても一定その成果を別途冊子にまとめた。(研究プログラム)現在,まずはこれまでの研究を基礎に,前者を内容とするテキスト作りを進めている。これと並行して,日本の金融システムと企業財務戦略に関する研究を深めるという作業を行っている。成果の刊行はすでに終えたものの他,なお継続中のものもあるが,これまでの成果をさしあたり別途冊子にまとめた。