著者
石川 俊男 松田 弘 大川 昭宏
雑誌
産業ストレス研究 = Job stress research (ISSN:13407724)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.101-107, 2006-05-30
参考文献数
2
被引用文献数
1
著者
吉田 勝美 松田 弘史 武藤 孝司 桜井 治彦 近藤 東郎
出版者
The Japanese Society for Hygiene
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.935-940, 1990-10-15 (Released:2009-02-17)
参考文献数
19

長期の体重変動が,肥満の健康影響を評価する上で,関心を呼んでいる。体重の増加量が及ぼす健康影響は知られるものの,体重増加の時間的経緯による健康影響については,ほとんど知られていない。本研究の目的は,体重増加の時間的経緯として,増加速度がもたらす健康影響を評価することである。某企業の1,627名男子従業員の中から,次の基準により,解析対象を選択した。選択基準は,以下のごとくである。1)対象者は,少なくとも20回以上の健康診断を受診している。2)対象者は,青年期より7kg以上の体重増加を認める。上記の基準により,437名が選択された。対象者の年齢は,46.2±5.1歳(M±S.D.)であった。体重の増加速度により,対象者を以下の3群に分けた。急速体重増加群は,5年間に5kg以上の増加を認めた者であり,167名が分類された。緩徐体重増加群は,5年間に5kg未満の体重増加を認めた者であり,212名が分類された。観察期間中に,一時的な体重減少を認めた残りの58名は,その他の群として,以下の解析から除外した。現時点の比体重を補正したMantel-Haenszel odds比は,空腹時血糖の有所見(110mg/dl以上)に関して,急速体重増加群で有意に高かった。また,体重増加速度以外の要因を含めたロジスティック解析の結果では,空腹時血糖の有所見に関するロジスティック式に,年齢とともに体重増加速度が取り込まれ,体重増加速度のodds比は,2.86(95%C.I.:1.35-6.06)であった。血圧,総コレステロール,中性脂肪,尿酸の有所見の発現に関して,体重増加の有意な関係は認めなかった。以上より,青年期から7kg以上の体重増加を認めた者において,体重増加速度が糖代謝異常の発現に関連していることが示され,体重増加速度が有する健康危険指標の意義が確認された。
著者
大出 春江 中村 美優 松田 弘美 古川 早苗
出版者
大妻女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

平成19年度は過去3年間の研究成果をまとめる形で、定例研究会の実施、学会報告、報告書の作成を行った。また在宅医療をめぐる全国大会が開催され、このうち千葉、東京、岐阜、大阪の大会に参加し、在宅医療にかかわる専門職者らと交流を深めた。以下は、学会発表と報告書の骨子でもある研究成果を担当毎に要約したものである。1)在宅の看取りと家庭看護の歴史(大出):明治期から現代までおよそ100年間の在宅の看取りの変遷について、家庭看護書の記述をもとに明らかにした。1960年代前後から、死にゆく身体への関わりは看護職にゆだねられる経過が示される。2)死後処置からみた看取りの歴史と担い手(古川):明治期の看護職による死後処置が伝染病対策からはじまり、そこに民俗慣習の儀礼が組み込まれていった経過が看護教科書等の文献研究から示される。さらに近年、急速な広がりをみせる〈エンゼルメイク〉のもつ効果と危うさについても触れ、死後処置の行方を論ずる。3)看取りを実践した家族からみた在宅医療と訪問看護(中村):看取りを実践した兵庫県・家族7例に対し、主介護者を対象に実施した半構造化インタビュー調査(2004年12月〜2006年8月実施)結果の分析。看取る家族からみた病院、疾師、訪闇看講師、存宅疾療に必藝た俗源やネットワークの必要性が明らかにされる。4)長野市訪問看護ステーションからみる在宅医療と訪問(松田):長野市内4カ所の訪問ステーションにおける調査をもとに、訪問看講STが病院併設型の場合、病院との円滑なコミュニケーションと情報の共有により、在宅療養の患者および患者家族の<ゆれ>を支える構造的な基磐を提供していることが示きれた。5)在宅医療という経験と運動(大出):長野県、兵庫県、大阪府にそれぞれ在宅医療を実践する無床診療所を開設する医師ヘのインタビュー調査から、2006年度在宅療養支援診療所という新たな制度の導入と受容を医師の視点から捉えている。
著者
前田 敏 松田 弘行 中島 興一 岸 信夫
出版者
日本草地学会
雑誌
日本草地学会誌 (ISSN:04475933)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.87-92, 1967-08-28

西南暖地における牧草の夏枯れ対策の一環として,ローズグラスを牧草地に追播し,年間飼料生産の均衡化を検討した。更新後2年めのオーチャードグラス,ラジノクローバー,レッドクローバーの混播草地に昭和40年7月3日,3番刈り時に1.5kg/10aのローズグラスを追播した。追播前の草地処理は無処理,ハロー掛け,耕起の3通りとし,無処理区はさらに堆厩肥施用区と生鶏糞施用区とに分けた。これら各区に対照区を加えて全部で5区を設けた。年間の刈取り回数は6回で,ローズグラスは5番刈り以後は枯死したので,同グラスの混在は4,5番刈りに限られた。対照区の年間収量は5,000kg/10aであったが,その収量の季節分布は1〜3番刈りまでの春季の刈取りで年間総収量の8割近い収量を認め,それ以後,夏,秋の4,5,6番刈りでは2割を得たにすぎない。これに対し,ローズグラス追播区では,対照区における収量減退期に約2,000から5,000kg/10aの増収を認め,年間総収量は7,000〜10,000kg/10aに達した。なお,このローズグラス追播による収量増加は追播下の草地攪拌処理が強いほど著るしい。他方,北方型牧草はこれに応じて圧倒され減少する傾向がみられ,特にマメ科牧草の損失はいちじるしく,完全に消失する区もみられたが,オーチャードグラスはかなり残存することがわかった。ローズグラス枯死後,裸地が出現したが,その面積は最大8割にも達した。なお,ローズグラスによる収量増加の程度と同グラス枯死後の裸地歩合との間には相関がみられ,収量増加が多いほど裸地歩合は加速的に増大することがわかった。この裸地面積は冬期間ほとんど変化せず,4月下旬に至って裸地歩合の小さい区では,裸地のほとんどが残存個体によって再び埋められた。他方,裸地歩合の大きい区では残存個体の密度が小さく,しかも,それら個体の生理的衰弱もはげしく,春の生育も貧弱で,それに乗じて雑草が旺盛に繁茂し,急速な草地の荒廃が認められた。