著者
福田 敦子 花岡 澄代 喜多 淳子 津田 紀子 村田 惠子 矢田 眞美子 中村 美優 鶴田 早苗 松浦 正子 伊藤 佳代子 古城門 靖子
出版者
神戸大学
雑誌
神戸大学医学部保健学科紀要 (ISSN:13413430)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.35-45, 2004
被引用文献数
1

本研究の目的は、リアリティショックの潜在構造を明らかにして新卒看護職者の傾向を示し、今後の看護教育への示唆を得ることである。方法は、病院に就職した新卒看護職者275名を対象に、独自に作成した質問用紙を用いた調査を行い、因子分析により潜在構造を求めた。質問紙において用いたリアリティショック23項目に対する因子分析より、6因子『患者・家族との複雑な関係・対応』『職場における協働の仕方とシステム』『未経験の機器やケア』『ナースコールや電話への対応』『生命監視装置等のある環境』『患者の死亡や急変』が抽出され(α係数0.898)、『未経験の機器やケア』『ナースコールや電話への対応』『職場における協働の仕方とシステム』で各因子における平均得点が高かった。今回、各因子における平均得点が高かったのは看護実習においても経験することが難しい因子であった。今後は在学中の看護基礎教育および継続教育を含めて、臨床的なリアリティ認知を高める取り組みの必要性が示唆された。
著者
大出 春江 中村 美優 松田 弘美 古川 早苗
出版者
大妻女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

平成19年度は過去3年間の研究成果をまとめる形で、定例研究会の実施、学会報告、報告書の作成を行った。また在宅医療をめぐる全国大会が開催され、このうち千葉、東京、岐阜、大阪の大会に参加し、在宅医療にかかわる専門職者らと交流を深めた。以下は、学会発表と報告書の骨子でもある研究成果を担当毎に要約したものである。1)在宅の看取りと家庭看護の歴史(大出):明治期から現代までおよそ100年間の在宅の看取りの変遷について、家庭看護書の記述をもとに明らかにした。1960年代前後から、死にゆく身体への関わりは看護職にゆだねられる経過が示される。2)死後処置からみた看取りの歴史と担い手(古川):明治期の看護職による死後処置が伝染病対策からはじまり、そこに民俗慣習の儀礼が組み込まれていった経過が看護教科書等の文献研究から示される。さらに近年、急速な広がりをみせる〈エンゼルメイク〉のもつ効果と危うさについても触れ、死後処置の行方を論ずる。3)看取りを実践した家族からみた在宅医療と訪問看護(中村):看取りを実践した兵庫県・家族7例に対し、主介護者を対象に実施した半構造化インタビュー調査(2004年12月〜2006年8月実施)結果の分析。看取る家族からみた病院、疾師、訪闇看講師、存宅疾療に必藝た俗源やネットワークの必要性が明らかにされる。4)長野市訪問看護ステーションからみる在宅医療と訪問(松田):長野市内4カ所の訪問ステーションにおける調査をもとに、訪問看講STが病院併設型の場合、病院との円滑なコミュニケーションと情報の共有により、在宅療養の患者および患者家族の<ゆれ>を支える構造的な基磐を提供していることが示きれた。5)在宅医療という経験と運動(大出):長野県、兵庫県、大阪府にそれぞれ在宅医療を実践する無床診療所を開設する医師ヘのインタビュー調査から、2006年度在宅療養支援診療所という新たな制度の導入と受容を医師の視点から捉えている。
著者
坂元 眞由美 松本 大輔 川又 敏男 山崎 郁子 中村 美優 安藤 啓司 傳 秋光 川又 敏男 安藤 啓司 山崎 郁子 傳 秋光 中村 美優
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は重度認知症高齢者の自律神経に音楽がどのような影響をもたらすのかを明らかにすることにある。方法はCDRにて分類した重度認知症高齢者に対し、好きな音楽を用いた介入を個別に週1回、能動的参加群と受動的参加群、コントロール群に分けて行なった。評価方法は加速度脈派測定システム・フェーススケールを使用した。その結果、好きな音楽の受動的聴取または能動的歌唱の両者共に精神安定効果があることを確認した。