著者
芳野 素子 荻原 勝 遠藤 敏哉 小林 義樹 下岡 正八
出版者
一般社団法人 日本小児歯科学会
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.417-424, 2005-06-25
被引用文献数
2

日本歯科大学新潟歯学部では,平成15年4月の大学機構改革により,講座と診療科別専任の二元化を導入した.これに伴い従来の小児歯科学と歯科矯正学を一つにまとめ,顎顔面口腔形態機能育成学として新しい歯科医学教育改革に対応している.さらに,小児歯科と矯正歯科は統合され,一診療科として知識,技能および態度の共有を図っている.歯科大学・歯学部附属病院は,歯科医療の変化に対応した診療体制を構築する必要がある.<BR>そこで,小児・矯正歯科に来院した矯正患者を対象として,診療日時に関するアンケートを実施し,以下の結論を得た.<BR>1.来院動機は,平日,土曜日とも患者の休みが大きく関与していた.<BR>2.平日来院患者の来院曜日,予約曜日はそれぞれ火曜日,水曜日が最も多かった.土曜日来院患者は,土曜日以外に日曜日を希望した.<BR>3.患者が最も多い来院時間と予約時間は,平日が16時から16時59分まで,土曜日が14時から14時59分までであった.患者が最も多い来院時間帯と予約時問帯は平日が夕方,土曜日が午前であった.<BR>4.耐えられる待ち時間,診療時間は,それぞれ15分から30分未満,30分から1時間未満が最も多かった.本学附属病院の来院曜日および来院時間は患者の希望に必ずしも即しているものではなかった.診療時間は一概に短縮するのではなく,患者の満足度に対応する必要があると示唆された.
著者
林 義樹
出版者
日本教育大学院大学
雑誌
教育総合研究 : 日本教育大学院大学紀要 (ISSN:18825389)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.21-40, 2008
被引用文献数
1

大学院教育を含めて、我国の大学教育改革が動き始めている。このような現状をふまえ、教育界全体にパラダイムシフトを惹起するような大学教育改革は、何を目指して、どう進めるべきか、そのグランドデザインと実現までの方策が求められている。そこで本論文では、著者の長年の参画教育の実践的な研究開発の成果を『ナレッジ・マネジメント』すなわち新しい「知」を経営するという視座から、再総括し直して、以下の4点を論ずる。(1)今日進行中の知識社会化は、教育の立場からは『知識創造』が重要である。(前提論)(2)次世代大学教育では、個性・人間らしさ・社会参画力・高質知をキーワードとして忘れてはならない。(目標論)(3)これらを展望する教育原理として構成員の参加の姿勢と知の質の相関が重要である。(原理論)(4)その実現には、参画の3指標の原理を用いた戦略と参画型コミュニティーの形成が有効である。(方略論)