著者
永澤 健 根本 勇 中村 夏実 岩竹 淳 黒田 善雄
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.1, pp.89-96, 2001-02-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
19
被引用文献数
2 2

本研究は, クレアチン (Cr) ローディングがローイングパフォーマンスに及ぼす影響について検討することを目的とした.被検者は, 20名の国内トップレベルの男子学生ボート競技選手とし, ローイングエルゴメータにより, 実際の競技会をシミュレートした2000mローイングおよび最大努力の20秒ローイングを摂取前後に実施した.被検者を無作為にクレアチン (CRE) 群10名とプラセボ (PLA) 群10名に分け, 二重盲検法により1日20g (59×4/日) のCrあるいはプラセボを6日間摂取させた.その結果, 2000mローイングのタイムはCRE群において407.9±5.3秒から404.7±5.4秒へと有意な向上 (p<0.01) を示し, 一方, PLA群に有意な変化を認めなかった.最大努力の20秒ローイング時の発揮パワーは, Cr摂取によりに有意な変化を示さなかった.以上のことから, 高度にトレーニングされた男子ボート競技選手において, Crローディングは, 最大努力の20秒ローイングに効果がないものの, 2000mローイングのパフォーマンス向上に有効であることが示唆された.