著者
小林 哲郎 柏木 悠 相馬 満利 藤戸 靖則 平野 智也 山岸 道央 和田 匡史 船渡 和男
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集
巻号頁・発行日
vol.67, pp.182_2, 2016

<p> 【目的】全力クロール泳におけるキックが水平速度(SV)、ストローク頻度(SR)、ストローク長(SL)、ストロークサイクル内の水平速度変動(IVV)に及ぼす影響を明らかにすること。【方法】被験者は日本代表経験者を含む男子水泳選手5名(身長;175.2 ±6.5cm、体重;78.1 ±7.5kg、50mベストタイム;23.82 ± 0.73s)であった。試技はクロール泳の通常の泳ぎ(スイム)と足首をロープ固定した腕によるストロークだけの泳ぎ(プル)で、25m全力泳をそれぞれ行った。デジタルビデオカメラ(60fps)を用いて選手右矢状面より水中映像撮影を行った。分析区間は右手の1ストロークサイクルとし、選手の右大転子点よりSVを算出した。【結果及び考察】SVはプルに対してスイムで約20%の速度増加がみられ、SRには有意差がなく、SLはスイムの方が大きい値を示した。IVVは、スイムとプルでそれぞれ7.84 ±1.76、9.73 ± 1.87%であり、スイムの方が統計的に有意に小さい値を示した(p<0.05)。スイムはキックにより1ストロークあたりの距離を大きくすることで高い速度を得ていることが推測された。</p>
著者
森下 愛子 船渡 和男
出版者
慶應義塾大学体育研究所
雑誌
体育研究所紀要 (ISSN:02866951)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.9-13, 2010-01

The purpose of this study was to examine the changes in velocity and underwater movements during one stroke cycle in competitive breaststroke swimming. The subjects were 19 collegiate swimmers (11 men and 8 women with mean age, 20.9 ± 0.6 y and 20.0 ± 1.0 y; mean height, 173.7 ± 7.0 cm and 165.8 ± 3.8 cm; and mean mass, 66.1 ± 6.7 kg and 59.5 ± 3.9 kg, respectively). They wore a belt that was attached to Speed Meter (manufactured by Vine Inc) via a harness. Each swimmer covered a distance of 25 m twice with the breast-stroke at the highest speed possible. The best time was then analyzed. An underwater video camera (manufactured by YAMAHA K.K) was set up at the center of the pool (at 12.5 m from each end), and it captured pictures of a 5 m section (10 to 15 m). Image analysis revealed 2 acceleration phases in all subjects, which were to the "kick" and "pull" actions of the swimmers. This was agreed upon by the top swimmer of the literature review. Moreover, underwater movement could be estimated from the pattern of change in the speeds on the basis of the relationship between the 2 parameters in the absence of underwater movement.
著者
佐藤 文平 船渡 和男
出版者
一般社団法人 日本運動・スポーツ科学学会
雑誌
運動とスポーツの科学 (ISSN:13421026)
巻号頁・発行日
vol.25, no.2, pp.85-92, 2020-03-20 (Released:2022-12-15)
参考文献数
13

A skilled service is important for an effective tennis match. There are primarily three types of tennis service styles: a flat service, a slice service, and a kick service. There is a trade-off between the speed at which a tennis ball is served and its RPM. Studies indicate that a high-quality kick service or slice service requires hitting the ball at a high speed with a rapid spin. Japanese top tennis players including Kei Nishikori have ascended to the top of the rankings at the ATP World Tour tournaments, but no study has quantified the speed and spin rate of tennis balls served by Japanese top-ranked professional male tennis players (Pro group), top university male tennis players (UT group), and top junior male tennis players (JrT group). This study compared and quantified the correlation in ball speed and RPM within the top tier of each competition level in japan (Pro group, UT group, JrT group) to determine the relationship between the level of competition and the service success rate.The following were revealed. 1) A significant negative correlation between the speed at which a ball is served and its spin rate (trade-off relationship) was observed in all groups, as measured using TRACKMAN. 2) The higher the competition level, the greater the tendency of the values to be at the upper right of the graph (X axis speed, Y axis RPM). 3) The performance of the serve can be evaluated from ball speed, RPM and the number of attempts to achieve the task.
著者
木内 聖 平野 智也 角田 直也 船渡 和男
出版者
公益財団法人 石本記念デサントスポーツ科学振興財団
雑誌
デサントスポーツ科学 (ISSN:02855739)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.184-191, 2023-02-22 (Released:2023-03-09)
参考文献数
9

ランニングにおける足部内側縦アーチの変化および足底荷重を定量化することを目的とした.足底圧分析機 (Novel GmbH®,100Hz),モーションキャプチャシステム (Oxford,100Hz),フォースプレート (Kistler,1KHz) を同期し,足底を解剖学的計測点に基づいて5つに分割した.参加者8名が2.78m/sの速度でランニングを行った.内側縦アーチ角度は第一中足骨遠位端,舟状骨,踵骨側面のなす角度,中足趾節関節角度は,母趾末節骨近位端,第一中足骨遠位端および近位端のなす角度として算出した.足底荷重は,接地とともに後足部および前足部外側の荷重がみられ,蹴り出し時には前足部に荷重がシフトし,内側縦アーチ角度が最大の変化量を示した.その後,中足趾節関節背屈に伴い前方向の地面反力が増加する傾向がみられた.内側縦アーチは,足部接地中,足底荷重を吸収するための柔軟な構造から,蹴り出し時に中足趾節関節を背屈させることで剛性を高め,前足部で蹴り出すことで前方への推進力を生み出していると推察される.
著者
竹腰 誠 柏木 悠 神 和人 平野 智也 藤戸 靖則 相馬 満利 石濱 慎司 船渡 和男
出版者
日本体育大学
雑誌
日本体育大学紀要 = Bulletin of Nippon Sport Science University (ISSN:02850613)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.1051-1061, 2021-08

本研究の目的は,日本代表選手を含む大学アルペンスキー選手の体力測定値とパフォーマンスの関係性を検討し,その測定値の有効性と世界一流選手(World)と大学アルペンスキー選手(College)の体力レベルの差を明らかにすることでトレーニングへの一助とすることを目的とした。被験者は,17名の日本代表選手を含む大学男子アルペンスキー選手(Collage)であった。測定項目は,形態・身体組成,柔軟性,筋力,非乳酸性パワー,乳酸性パワー,そして有酸素性パワーの測定であった。アルペンスキー競技のパフォーマンスには,国際スキー連盟(FIS)が定めるFISポイント(回転,大回転,スーパー大回転)を採用した。体力測定項目とFISポイントの関係性には,ピアソンの積立相関係数およびスピアマンの順位相関係数を用いて評価した。また,CollageとWorldの体力の差の検討には,先行研究Neumayr et al.(2003)の報告を参考した。FISポイントと体力測定値の関係性は,形態・身体組成と柔軟性以外の全ての項目と有意な負の相関関係がみられた。FISポイントとの関係性がみられた膝屈曲トルクは,WorldがCollageより大きな値を示し、最大43%の差であった。その次に大きな差がみられた測定項目は,2 mmol/lの相対的な有酸素性パワーであった。大学生アルペンスキー選手の膝伸展屈曲トルク,非乳酸性パワー,乳酸性パワーおよび有酸素性パワーの体力要素は,アルペンスキー競技パフォーマンスと有意な相関関係が認められ,世界レベルを目指すための体力トレーニングの目標値が示された。
著者
若槻 遼 相馬 満利 柏木 悠 船渡 和男
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第68回(2017) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.144_3, 2017 (Released:2018-02-15)

【背景】立位での身体運動において足部は常に荷重を受けており、荷重の有無によって特にアーチ構造に変化がみられることが報告されている。本研究の目的は、異なる荷重条件における足部の3次元形状の違いを明らかにすることである。【方法】対象は、健常な成人75名(男性49名、女性25名)の右足とした。足部への荷重は、立位での全荷重、半荷重および座位の3条件とし、それぞれの静止姿勢における足部形状を、3次元足形測定装置INFOOTを用いて取得した。得られた足部の各項目を全荷重で正規化し、比較を行った。【結果及び考察】全荷重に対して、半荷重の内踏まず長及び舟状骨点高以外の項目で有意な差がみられた。しかし、全荷重に対して半荷重は外果最突点高が高かったが、長さと幅の各項目の差の平均が1%未満であった。座位は全荷重に比べ、長さの各項目が1.0±0.7%短く、幅の各項目が1.8±1.0%狭く、高さの項目が6.0±4.3%高かった。半荷重と全荷重とでは足形状に顕著な違いはみられなかったが、座位においては荷重軽減の影響により、内側縦アーチ、外側縦アーチ及び横アーチ構造に変化がみられ、各項目に差が生じたことが推察された。
著者
榎屋 剛 平野 智也 野澤 巧 尹 鉉喆 藤戸 靖則 柏木 悠 船渡 和男
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第70回(2019) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.185_2, 2019 (Released:2019-12-20)

【目的】異なる投球速度に対するタイミング調節の鍵となる野球打撃動作の局面を検討すること。【方法】屋外の野球場において、5名の大学生選手が1名の投手から投球されたボールを打撃した。この際の球種はストレート(球速:約110~135km/h)であり、投手はランダムに緩急をつけた投球を行った。投手と打者の動作は、同期した2台の高速度カメラ(300fps)を用いて撮影し、投手のリリースの時刻に対する打者の各動作(前足のつま先離地、つま先接地、踵着地、インパクト)の時刻を算出した。【結果および考察】投球速度と打者の前足つま先離地およびつま先接地時刻には有意な相関関係が示されなかった。一方、投球速度の増加に伴い、打者の前足踵着地時刻が短くなった。また、投球速度と打者の前足つま先接地から踵着地の局面間の時間に有意な負の相関関係が示された。従って、打者の前足つま先接地から踵接地の局面間の時間は、異なる投球速度に対する打者のタイミング調節にとって重要であることが示唆された。
著者
筒井 大助 船渡 和男 高橋 流星
出版者
日本トレーニング科学会
雑誌
トレーニング科学 (ISSN:13494414)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.45-54, 2011 (Released:2012-02-23)
参考文献数
34

本研究は,野球における競技レベルの違いで,体格がどのように打撃内容に影響を与えるのか検証した.競技成績の高い高校野球,大学野球および社会人野球,さらに日本プロ野球そしてメジャーリーグの5 群,計1245 選手の身長および体重と打率,長打率,三振率の関係,そして群ごとに打率と長打率,長打率と三振率,打率と三振率の関係を検討した. 体重が重くなれば長打率が高くなる傾向が示され,身長よりも体重が長打率に大きく関係していることが示された.三振率はプロ選手の場合,身長が高くなれば高くなる傾向が示されたが,アマチュア選手は傾向が示されなかった.全ての群で打率が高くなると,長打率は高くなるが,三振率は低くなる傾向が示された.また,長打率が高くなると三振率が低くなる傾向はアマチュア選手のみに示された. これらの結果から,それぞれの競技レベルにおける打撃の特性に体格が影響を及ぼしていることが示唆された.