著者
小川 裕充 板倉 聖哲 桝屋 友子 田中 秀隆 朴 亨國 大田 省一 羽田 正 秋山 光文 浅井 和春 後小路 雅弘
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

設備備品につては、「西洋人アジア旅行記」5,663点(マイクロフィッシュ16,453枚)、「西洋人アジア伝道旅行記」231点(マイクロフィッシュ1,585枚)を一括購入し、ヨーロッパの世俗・宗教両面から伝統アジアを捉える旅行記を基本研究資料として公開している。絵画班:小川は、平成17年度、シンガポール亜州文明博物館新収の中国絵画コレクション50数点の悉皆調査を行った。また、板倉・田中・五十嵐とともに、オーストラリア所在中国・日本絵画調査を実施し、オーストラリア絵画のディジタル・ファイルを購入した。18年度は・板倉とともに、東アジア・東南アジア所在中国絵画調査を実施した。調査対象は台湾:石允文コレクションなど3個所、シンガポール:呉起駒コレクションなど2個所、香港:香港中文大学文物館・香港藝術館、計7個所であり、撮影作品数無慮7百点に上る。彫刻班:浅井・朴は、東京国立博物館収集東南アジア仏教彫刻スライド資料2万点のディジタル画像化、及びプリントアウトをすべて完了し、資料整理の基礎となる基本カード作成もほぼ半数の1万点に及ぶ。また、東博資料のデータの不備を解消し、画像資料をさらに充実させるべく実施した、インドネシア調査(17年度)では、調査撮影対象は、ボロブドゥル遺跡など約70個所、作品4千点に上り、データを再点検し、ディジタル画像資料3万点を追加した。タイ・マレーシア・カンボジア調査(18年度)では、調査撮影対象は、バンコク国立博物館など、約10個所、ディジタル画像資料1万6千点、作品数約2千5百点を追加した。絵画班・彫刻班の調査作品は、個人研究とは別に、班として目録を収載する。なお、絵画班:西・後小路・桝屋・井手、建築班:羽田・大田は、別途、調査研究を進めたため、基盤Aの研究成果としては、研究成果報告書に論文1点を全文掲載し、他は本概要にリストアップするにとどめる。
著者
中里 成章 鈴木 董 山本 英史 大木 康 桝屋 友子 板倉 聖哲 大石 高志
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2002

本プロジェクトは、ネットワークの態様と文化表象の生産の2点に着目して、東アジア、西アジア及び南アジアのエリートの比較研究を行い、アジアのエリート研究のための新しい視点を構築することを目的とした。また、画像による研究と文献による研究を結合し、アジア研究の新たらしいスタイルをつくることも目標に掲げた。研究成果の概要は次の通りである。1.新しい視点の構築。アジアの前近代社会の発展の中に近代性を見いだし、伝統と近代という二項対立的な枠組み自体を否定して、エリート研究の新しいモデルを構築しようとする方向。その逆に、近代化論を洗練し精緻にすることで、エリート研究の新たな展開を図ろうとする試み。また、下層エリートの文化生産の様態の研究を進め、それを媒介にしてエリート文化を民衆文化に接合し、両者の相互作用を明らかにしようとする問題提起。大略この3つの視点から方法上の試みが行われた。2.ネットワークの態様。さまざまな研究が行われたが、特に成果があったのは、系譜の比較史的研究であった。系譜に記録された親族ネットワークをめぐって、系譜編纂の主体、系譜の虚構性、記録形式の変化の歴史的意味、親族組織が系譜作成に先立つのか、その逆か、等々の視角から活発な討論があった。この成果は論文集『系譜の比較史』として近く刊行する予定である。3.文化表象の生産。オスマントルコやインドに見られる言語世界の多元的構造が、文化表象の生産にどのような意味をもったか。近代のアジアにおいて文化生産の基本的な制度的枠組みをなしていた検閲制度の実態はいかなるものであったか。また、デザインのような商品化された文化生産は、アジアではどのような歴史をもつのか等の問題に関する研究が行われた。検閲に関する成果は『東洋文化』86号の特集「日本の植民地支配と検閲体制」として既に刊行した。4.画像と文献の研究の結合。テキストに書かれた戯曲の場面を挿絵としてヴィジュアル化するときにいかなる問題が生じるか、等々のテーマに関する新鮮な研究が多数行われた。
著者
ヤマンラール水野 美奈子 黄 暁芬 杉村 棟 小柴 はるみ 桝屋 友子 阿部 克彦
出版者
東亜大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

1)海外調査を通じて得た主な研究業績(1)研究対象である2冊の詩画帳(通称サライ・アルバム)(トプカプ宮殿美術館所蔵登録番号H.2153,H.2160)の合計289フォリオ、2152作品のデーターの入力を完了した。2冊の詩画帳の画像とデーターの総合的入力は本研究グループが初めて成し遂げた成果である。(2)2冊の詩画帳の書の索引の作成が完了した。これも本研究グループがはじめて成し遂げた成果である。絵画作品に関しては、索引を作成中である。(3)平成16年にはベルリンの国立図書館が所蔵するディーツ・アルバムを調査し、トプカプ宮殿美術館の上記2冊の詩画帳との関連性を考証した。この件に関しては更に詳細な研究調査が必要である。2)研究発表における主な業績:11.研究発表の中でも以下の論文発表は新説であり、本研究グループが成し遂げた成果である;(1)ヤマンラール水野美奈子「サライ・アルバムH.2153における半円形のデザイン文様に関する考察」:従来半円形デザイン文様は根拠なしに襟の型紙とされていたが、住吉神社、手向山神社や中国の例証などからそれらが馬具の障泥のパターンであることを証明した。(2)関喜房「サライ・アルバム(H.2153,H.2160)の装丁の考察(原文ペルシア語)」:研究対象の詩画帳は数回装丁を改められているが、そのオリジナルな装丁の考察に示唆を与える画期的研究である。3)海外における講演・発表(1)上記2)(1)は平成14年の国際トルコ美術史学会で発表された。(ヤマンラール水野美奈子)(2)平成16年10月に中国、煙台大学でサライ・アルバムに見られる中国美術の影響を発表し、中国で始めてサライ・アルバムを紹介した。(ヤマンラール水野美奈子、黄暁芬)(3)平成17年3月には、イラン国立アカデミーでサライ・アルバムを紹介。(ヤマンラール水野美奈子・杉村棟)