著者
梶原 優介
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2014年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.619-620, 2014-03-01 (Released:2014-09-01)

あらゆる物質は分子の局所挙動にともなう極微弱な電磁場を放出しており,その主なスペクトルはTHz領域に存在する.そのようなTHz波を直接的に検出可能であれば,生体分子挙動や化学反応などの物質現象を実時間スケールで計測できるはずである.物質自身が放出する極微弱な電磁場を検出するためには,照射光源を使用しないパッシブな計測をナノスケールでおこなう必要があるが,それを実現する顕微鏡について紹介する.
著者
梶原 優介 林 冠廷 金 鮮美 小宮山 進
出版者
東京大学生産技術研究所
雑誌
生産研究 (ISSN:0037105X)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.811-815, 2013-11-01 (Released:2014-02-25)
参考文献数
12

本解説では,試料自身からの放射光をナノスケールで検出する新概念の顕微技術について紹介する.まず,THz 検出器CSIPや散乱型近接場光学系を導入することによって構築したパッシブ型THz近接場顕微鏡について説明し,空間分解能60nm (波長の1/250)にてTHzエバネッセント波を検出した観測例を示す.応用展開例の1つとして,ナノサーモメトリーについても紹介する.
著者
梶原 優介 小坂 圭史 小宮山 進
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会学術講演会講演論文集 2010年度精密工学会春季大会
巻号頁・発行日
pp.385-386, 2010 (Released:2010-09-01)

あらゆる物質は分子振動やフォノンに起因する電磁波(主にTHz波)を自然放出しており,それらを高感度・高分解能で捕えることは物質自身のダイナミクスを映し出すことと等価である.我々は以前,世界最高感度のTHz検出器(CSIP)を導入して顕微鏡を開発し,分解能25ミクロンを達成した.本報では散乱型近接場顕微鏡を構築し,照射光源を使わずにTHz自然放出光の超解像イメージングに成功したので報告する.