著者
金森 有子 有賀 敏典 松橋 啓介
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.1017-1024, 2015-10-25 (Released:2015-11-05)
参考文献数
12
被引用文献数
4 5

現在,日本全国で空き家率の増加が大きな社会問題となっている.本研究では,空き家率の増加につながる社会的要因を重回帰分析により明らかにするとともに,それに基づき2035年までの空き家率を推移を推計した.推計の際には,自治体レベルで容易に利用可能であるデータを用いることで,自治体別の空き家率の推計が可能になることを意識した.推計の結果,住宅の着工と滅失のバランスが現状ペースのまま続いた場合,2035年には日本全国の空き家率が約20%に達し,都道府県別の空き家率が広がることが明らかになった.また,着工と滅失のバランスを見直し,各都道府県が2023年には余剰着工率が0となるようにした場合でも,2035年には全国の空き家率は13%程度となり,依然として山梨県では空き家率が16%近くになることが推計された.
著者
長西 秀樹 森 有子 木村 美和子 中川 秀樹 田村 悦代 新美 成二 福田 宏之
出版者
日本音声言語医学会
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.153-157, 2012 (Released:2012-06-11)
参考文献数
12
被引用文献数
1

職業歌手にみられる急性炎症による音声障害へ対処する場合には,職業上の要請が強いため,通常の診察・治療に加えて,歌手特有の特殊性を考慮する必要がある.しかし,診療の進め方に特別なことがあるわけではなく問診に始まり声の評価,発声器官の所見に基づく治療を行う.声帯の状態を正確に把握することが重要であり,その評価のためには喉頭ストロボスコピーが有用である.当センターでは,薬物治療,外来でのネブライザー療法,音声治療を中心に治療方針を決定し,声帯の浮腫の状態に応じて,ステロイド投与の適応,その投与方法を決定している.東京ボイスセンターを2010年1年間に受診した急性炎症による音声障害症例は176名で,そのうち職業歌手は56名(31.8%)であった.職業歌手に対する急性期のステロイド投与方法としては,ステロイド吸入のみで対応した症例が最も多く,次いでステロイド点滴,ステロイド内服の順であった.
著者
宮本 真 楠山 敏行 森 有子 中川 秀樹 田村 悦代 新美 成二 福田 宏之
出版者
THE JAPAN LARYNGOLOGICAL ASSOCIATION
雑誌
喉頭 (ISSN:09156127)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.117-122, 2009-12-01 (Released:2014-12-26)
参考文献数
5

Vocal fold scarring due to injury, inflammation or surgery results in stiffness of the layer structure of the vocal fold. In addition, the mucosal waves are singnificantly affected, thereby resulting in severe dysphonia. Many therapeutic strategies have been attempted for the treatment of vocal fold scarring including voice therapy, steroid injection, injection laryngoplasty, tissue engineering and regenerative medicine. Our surgical method involves the removal of the vocal fold scarring under laryngomicrosurgery. From 2001 to 2007, we performed our phonosurgery technique on 18 patients with vocal fold scarring. The 15 patients whom were observed over two months (6 men and 9 women) ranged in age from 19 to 67 years (average age, 42.9 years). Our observations involved evaluation of subjective symptoms, as well as stroboscopic and phonometer examinations. The operation is performed under the general anesthesia. The approach is to resect the vocal fold nodule-like scarring and to resect vocal fold scarring under the mucosal epithelium. Twelve of the 18 patients had satisfactory post-surgery traveling waves and phonation. Definitive strategies in the treatment of vocal fold scarring have yet to be established. Our surgical method to treat scar formation is to remove the scar tissue under the mucosa. The key point is that we strive to attain the most excellent wound healing in order to achieve the closest reproduction of a normal vocal fold structure.
著者
石河 正寛 加藤 秀樹 有賀 敏典 金森 有子 金 炅敏 崔 文竹 松橋 啓介
出版者
一般社団法人 交通工学研究会
雑誌
交通工学論文集 (ISSN:21872929)
巻号頁・発行日
vol.8, no.5, pp.1-10, 2022-10-01 (Released:2022-10-01)
参考文献数
17

自動車検査証の個別統計を用いて乗用車の全国市区町村別 CO2 排出量を推計した。また、同統計に含まれていない軽乗用車について考慮する簡便法として、自動車燃料消費量統計から作成した乗用車と軽乗用車の台あたり走行距離に関する一次関数式を仮定した推計を試みた。本研究を通じて、道路交通センサス OD 調査データを用いる地域別乗用車 CO2 排出量推計手法よりも、空間解像度および時間解像度の高い推計値を得ることが可能になったと考えられる。今後、道路交通センサス OD 調査データを用いた推計との比較や、軽自動車検査情報を用いる推計手法の検討を行いたい。