著者
中山 明則 對馬 雄次 荻野 友隆 金 喜都 森 眞一郎 中島 浩 富田 眞治
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.第50回, no.ハードウェア, pp.51-52, 1995-03-15

3次元のボリューム空間を直接2次元ピクセルに射影するボリュームレンダリングは、様々な科学技術分野における計測やシミュレーションの結果を理解するために有効な手段である。しかし、計算量が非常に多いため画像生成に長い時間を要する。そこで我々は、(1)半透明ボリュームの取り扱い、(2)遠近法を用いた描画、が可能な高速ボリュームレンダリング専用並列計算機ReVolver/C40を試作している。本稿ではReVolver/C40のプロトタイプの構成について述べる。
著者
湯淺 太一 近山 隆 上田 和紀 森 眞一郎 八杉 昌宏 小宮 常康 五島 正裕
出版者
京都大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2001

本研究では,計算機システムが備えている広域性と局所性の両方に対応できる適切な計算量モデルとソフトウェアシステムの構築を可能にするために,計算連続体と呼ぶ概念に基づいて,さまざまな観点から,計算に関する既存概念の再検討,統合,および発展を図ってきた.主要な研究成果は次のとおりである.1.計算連続体モデルによる計算量解析本プロジェクトでは,単一計算機内のメモリ階層から計算機間のネットワーク遅延の差異までを,統一的に,かつ簡潔に表現できる計算量モデルとして「計算連続体モデル」を提案し,このモデルに基づいた計算量解析結果が,従来方法よりも現実の計算に近いものであることを示した.また,複雑な並列アルゴリズムに対しても,その振舞いが把握できるように,計算連続体モデルの仮想機械を設計し,実装した.2.並行言語モデルLMNtalに関する研究また本プロジェクトでは,階層グラフの書換えに基づくスケーラブルな並列言語モデルとしてLMNtalを設計し,このモデルの改良を進めてきた.このモデル上でプロセス構造の解析技術を確立するとともに,実用に供するプログラミング言語としての実装を行った.階層グラフ書換えは,多重集合書換え計算モデルや自己組織化に基づく計算モデルなどを特別な場合として含んでおり,既存の多くの計算モデルの架け橋となることが期待できる.3.局所性を重視した処理系実装方式の研究プログラミング言語の実装において,特に局所性を重視することによって,実行性能が飛躍的に向上することを実証した.その例として,階層的グループ化に基づくコピー型ごみ集めによる局所性改善をあげることができる.これは,スタック溢れに備えたキューを併用することにより,少量のスタックで大部分を深さ優先順にコピーするごみ集め方式のさらなる改良の提案であり,仮想記憶の局所性だけでなく,キャッシュの局所性も考慮した実装となっており,実際の計算機上で極めて効率の良い処理系を実現できる技術である.
著者
五島 正裕 森 眞一郎 中島 浩 富田 眞治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.1399-1408, 1996-07-15
参考文献数
6

Virtual Queueシステムは 仮想化とストリームのキャッシングを特長とするメッセージ通信用ハードウェアである.仮想化によって 任意の数の仮想的通信機構を提供し システム・コールなしで利用できるなど メッセージ送受信時のソフトウェア・オーバヘッドを大幅に削減するので 細粒度の通信に耐える.また メッセージそれ自体ではなく メッセージのストリームへの参照の局所性を利用し よくアクセスされるストリームを物理的通信路にキャッシングすることによって高速化を図る.シミュレーションにより ベクトル・データの転送にも十分なスループットを持つことが確認された.The Virtual Queue system is a message communication mechanism, marked by virtualization and caching of message streams. The virtualization provides arbitrary number of virtual communication hardware, and enables a user to use the hardware without system calls. The system withstands finer grained communications, because the virtualization drastically reduces the software overhead in handling messages. And the system makes use of locality of reference, not to messages themselves but to the stream of the messages, and caches frequently accessed message streams to the fast physical channels. The simulation result showes that the system provides enough throughput for transmission of vector data.
著者
立田 智裕 鵜飼 利明 福間 慎治 森 眞一郎
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.15-16, 2015

近年,プロジェクタとスクリーンを用いた講義が行われている.広い講義室において,講義室後方の受講者は,スクリーンの表示が認識しにくいという状況が発生する可能性がある.対策として複数のサブディスプレイを講義室に導入することが考えられるが,導入には高コストとなる.そこで,この論文では受講者が持つ携帯端末をディスプレイの代わりに使用してメインスクリーンと同じ表示を行うシステムを提案する.このシステムはメインスクリーン上のレーザーポインタを検出し,携帯端末のWebブラウザにメインスクリーンのスライド画像と検出したレーザーポインタの座標を元にポインタカーソルを表示する.このシステムを用いることで,新たに複数のサブディスプレイを導入することなく,講義室後方の受講者も効果的な講義を受けることができる.
著者
五島 正裕 岡田 智明 細見 岳生 森 眞一郎 中島 浩 富田 眞治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告計算機アーキテクチャ(ARC)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.71, pp.121-128, 1993-08-19
被引用文献数
2

我々は,一つのアーキテクチャで共有メモリ型およびメッセージ・パッシング型の両方の通信モデルをサポートすることが重要であると考え,スケーラブルな共有メモリ・マルチプロセッサのコヒーレント・キャッシュ・システムとメッセージ通信機能を統合することを試みている.本システムではI?StructureやFIFOなどの同期構造体を利用して高速な細粒度メッセージ通信を実現する.本稿ではこのキャッシュ・システムのコヒーレンス制御方式とメッセージ通信機構について述べる.Based on an opinion that a single architecture should support communication models of both shared memory type and message passing type, we are trying to integrate message communication mechanism with the coherent cache system on the shared memory multiprocessor. This system realizes fast fine-grain message communication by utilizing the synchronization structure such as I-Structure or FIFO. In this paper, we describe the coherence control method and the message communication mechanism of the system.