著者
津田 万里 森屋 宏美 浦野 哲哉
出版者
日本医学教育学会
雑誌
医学教育 (ISSN:03869644)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.271-277, 2021-06-25 (Released:2021-07-22)
参考文献数
18

COVID-19パンデミックの現在, 全世界で遠隔診療が急速な発展を遂げている. 日本は他の先進国に比べ遠隔診療の導入が伸び悩んでいる. 先進国の多くは国策として遠隔診療の発展に注力している. 日本でも以前から遠隔診療は存在したものの, あくまで対面式診療の補助的役割に過ぎなかった. それがCOVID-19の感染拡大により遠隔診療で初診から受診が可能となり頓用以外でも新規処方ができるなど, 規制が大幅に緩和されたのをきっかけに急激に導入が進みつつある. ここでは遠隔診療の導入が進んでいる国と, 日本の遠隔診療に関する背景と現状を比較し, 本校における遠隔診療に対する学生教育を紹介した上で, これからの展望を概説する.
著者
井上 陽子 大友 麻子 高橋 千果 森屋 宏美 大貫 優子 谷口 泰史 和泉 俊一郎 秦野 伸二
出版者
一般社団法人 日本生物教育学会
雑誌
生物教育 (ISSN:0287119X)
巻号頁・発行日
vol.58, no.3, pp.98-113, 2017 (Released:2018-10-29)
参考文献数
27

現代社会では,犯罪捜査や事故などの犠牲者の身元確認や親子鑑定などの個人のもつ遺伝の情報が活用されることが多くなってきている.また,インターネット上には個人の「遺伝子検査」を行うサイトが掲載されている.このような社会環境の中で,高校生が「遺伝子」についてより深い理解を得るために学習機会を持つことはきわめて重要と思われるが,設備や試薬などの経費の面で高校において体験的な授業実践を行うことは容易ではない.そこで,筆者らは,授業内容は高校側が立案し,設備や試薬は大学側が負担するという高大連携によって「遺伝子」を扱う実験を開発し,授業実践を行った.扱った「遺伝子」は広く動物界の生物に保存されている転写調節因子の一つであるSOX2遺伝子で,ヒトとゼブラフィッシュを実験材料とした.また,遺伝子解析因子の基本的な技術を体験する意味で,「DNAの抽出」,「PCRによる特定の遺伝子領域の増幅」,「塩基配列の異同を調べるための制限酵素処理」及び「アガロースゲル電気泳動」を含む内容とした.その結果,高大連携授業に参加した高校生は,それぞれの実験が持つ意味や結果の解釈について,実験前より実験後においてより深い理解を示し,対照実験の意義を理解するなど「科学的な探究能力」の育成について,効果があることが示された.
著者
溝口 満子 守田 美奈子 西村 ユミ 前田 泰樹 渋江 かさね 和泉 俊一郎 近藤 朱音 大貫 優子 高橋 千果 横山 寛子 森屋 宏美
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

看護職者の相談能力向上のための、自主学習用ツールとしてドラマ及び学習方法をセットにしたDVDを作成した。看護職者が対応することの多い出生前診断の一つである羊水検査を受けた妊婦の体験をもとに夫婦と彼らを取り巻く人々の心情を細かく描いたストーリーを2つ作成し、各々をドラマ化した。一方看護師を対象としたワークショップを開催し、'大人の学び'および専門職としての経験知を活かした学習方法の有効性を検証した。