著者
前田 泰樹
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.710-726, 2005-12-31 (Released:2009-10-19)
参考文献数
29
被引用文献数
1 1

社会学にとって人々の行為を記述するとはどのようなことだろうか.この問いは2つの論点に集約されてきた.すなわち「どのような記述をしても不完全さは残るのではないか」という記述の可能性への問いA, 「社会学的記述はメンバーによってなされる記述とどのような関係にあるべきか」という記述の身分に関わる問いBである (Schegloff 1988) 本稿では, まず問いAに対し, 記述の懐疑論には採用し難い前提が含まれていることを論証する.さらに, その前提のもとで見落とされてきた論点として, 実践において行為を記述することは, それ自体, メンバーシップカテコリーへと動機を帰属させる活動でありうる, ということを示す.次に問いBに対し, H.サノクスたちによる社会学的記述の方針を検討する.まず, メンバーによる記述はそれ目体手続き上の特徴を備えている, ということを確認し, その実践の手続き上の特徴によって制約を受けつつ社会学的記述を行う, という方針を検討する.さらにその検討をふまえて実践の分析を行い, 行為を記述することが動機や責任の帰属といった活動であること, また, その活動が実践の編成にとって構成的であること, を例証する要約するならば, 行為を記述することは, それ自体, 動機や責任の帰属といった活動であり, その他の様々な実践的活動に埋め込まれている.本稿では, こうした実践の編成そのものを記述していく方針の概観を示す.
著者
前田 泰樹
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.710-726, 2005-12-31
被引用文献数
1 2

社会学にとって人々の行為を記述するとはどのようなことだろうか.この問いは2つの論点に集約されてきた.すなわち「どのような記述をしても不完全さは残るのではないか」という記述の可能性への問いA, 「社会学的記述はメンバーによってなされる記述とどのような関係にあるべきか」という記述の身分に関わる問いBである (Schegloff 1988) <BR>本稿では, まず問いAに対し, 記述の懐疑論には採用し難い前提が含まれていることを論証する.さらに, その前提のもとで見落とされてきた論点として, 実践において行為を記述することは, それ自体, メンバーシップカテコリーへと動機を帰属させる活動でありうる, ということを示す.<BR>次に問いBに対し, H.サノクスたちによる社会学的記述の方針を検討する.まず, メンバーによる記述はそれ目体手続き上の特徴を備えている, ということを確認し, その実践の手続き上の特徴によって制約を受けつつ社会学的記述を行う, という方針を検討する.さらにその検討をふまえて実践の分析を行い, 行為を記述することが動機や責任の帰属といった活動であること, また, その活動が実践の編成にとって構成的であること, を例証する<BR>要約するならば, 行為を記述することは, それ自体, 動機や責任の帰属といった活動であり, その他の様々な実践的活動に埋め込まれている.本稿では, こうした実践の編成そのものを記述していく方針の概観を示す.
著者
西村 ユミ 前田 泰樹 前田 泰樹
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、看護場面として急性期医療の現場に注目し、そこでの実践がいかに成り立っているのかを記述することを目的とした。研究期間内においては、おもに、患者の苦痛の理解という実践に注目した。看護師たちは、観察や評価に先立って、患者の痛みの経験を理解しはじめていた。この理解は、患者の痛みに応じようとする行為的な感覚や、具体的な行為とともに成り立っていた。そして、この行為を交換することによって、看護場面における協働が達成されていた。
著者
前田 泰樹
出版者
日本保健医療社会学会
雑誌
保健医療社会学論集 (ISSN:13430203)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.13-26, 2003

近年、医療従事者による対人援助技法に関して、「傾聴」の重要性が強調されるが、その議論は、抽象的な理念や表現上の技法に関するものに留まる。本稿では電話相談を行う看護職のロール・プレイにおける相互行為を分析し、医療従事者が「<助言者>であることをする」実践のなかで、<相談者>の示す感情にいかに応じるべきとされているのかについて、詳細な記述を行った。この作業を通じて、傾聴という活動に結びついている概念の連関としての「論理文法」の概略を以下のように提示し、過度に個人に帰責することなく、実践のあり方を再検討していく方向性を示した。(1)情報提供などで助言が可能な場合、「傾聴」活動を行うことが関連性をもたない可能性がある。(2)アセスメントに成功するが、直ちには受け入れられない場合、「傾聴」の重要性は高まる。(3)アセスメントが困難である場合、傾聴的技法の一部は、医療的文脈に引き戻され、トラブルを助長させる可能性がある。
著者
前田 泰樹
出版者
日本保健医療社会学会
雑誌
保健医療社会学論集 (ISSN:13430203)
巻号頁・発行日
vol.14, no.1, pp.13-26, 2003

近年、医療従事者による対人援助技法に関して、「傾聴」の重要性が強調されるが、その議論は、抽象的な理念や表現上の技法に関するものに留まる。本稿では電話相談を行う看護職のロール・プレイにおける相互行為を分析し、医療従事者が「<助言者>であることをする」実践のなかで、<相談者>の示す感情にいかに応じるべきとされているのかについて、詳細な記述を行った。この作業を通じて、傾聴という活動に結びついている概念の連関としての「論理文法」の概略を以下のように提示し、過度に個人に帰責することなく、実践のあり方を再検討していく方向性を示した。(1)情報提供などで助言が可能な場合、「傾聴」活動を行うことが関連性をもたない可能性がある。(2)アセスメントに成功するが、直ちには受け入れられない場合、「傾聴」の重要性は高まる。(3)アセスメントが困難である場合、傾聴的技法の一部は、医療的文脈に引き戻され、トラブルを助長させる可能性がある。
著者
溝口 満子 守田 美奈子 西村 ユミ 前田 泰樹 渋江 かさね 和泉 俊一郎 近藤 朱音 大貫 優子 高橋 千果 横山 寛子 森屋 宏美
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

看護職者の相談能力向上のための、自主学習用ツールとしてドラマ及び学習方法をセットにしたDVDを作成した。看護職者が対応することの多い出生前診断の一つである羊水検査を受けた妊婦の体験をもとに夫婦と彼らを取り巻く人々の心情を細かく描いたストーリーを2つ作成し、各々をドラマ化した。一方看護師を対象としたワークショップを開催し、'大人の学び'および専門職としての経験知を活かした学習方法の有効性を検証した。