- 著者
-
森田 啓行
永井 良三
- 出版者
- 一般社団法人 日本内科学会
- 雑誌
- 日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
- 巻号頁・発行日
- vol.99, no.6, pp.1349-1355, 2010 (Released:2013-04-10)
- 参考文献数
- 16
チーム医療推進のひとつの方策として,Nurse Practitioner/Physician assistant(NP/PA)をはじめとする「新しい」医療職種導入に関して議論されることが多くなってきた.しかしながらNP/PAがどのように位置づけられ,いかなる役割分担の下,医療行為をおこなっているか,ということに関する正確な理解は浸透していない.そこで我々はNP/PA発祥の地である米国に赴き,実際にNP/PAの勤務実態を視察し,NP/PAや管理者,医療スタッフのインタビューをおこなった.紹介されたデータ・文献などに基づき,米国のNP/PA制度の実態に関して本稿にまとめ,若干の考察を加える.チーム医療を推進するにはNP/PA制度導入は有効な手段のひとつと考えられ,現場のニーズ,役割分担と責任を議論することは大いにあってよい.法律整備による裁量権と責任の明記,養成教育システム・資格試験の制定,医療従事者と国民の理解などが課題になる.