著者
森田 婦美子 山本 純子 高橋 弘枝
出版者
学校法人 天満学園 太成学院大学
雑誌
太成学院大学紀要 (ISSN:13490966)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.149-154, 2012 (Released:2017-05-10)
被引用文献数
2

口腔ケアは歯科疾患の予防を目的にしたものから,嚥下,構音,審美など広義の口腔ケアの目的が重視されるようになってきた。今回,口腔ケアとして,口腔へのブラシ刺激が,脳血流にどのように影響するのか前頭前野における脳血流の測定をおこなった。すべての研究協力者において上顎硬口蓋のブラッシング時,oxyHbの脳血流量が多く観察された。次いで舌,上顎中側切歯根部の順であった。目視解析においては,左眼窩前頭前野や頭頂葉の前運動領野からのoxyHb血流量増加を認めた。上顎硬口蓋への刺激は舌,上顎中側切歯根部に比較して優位に血流量が増加しており,これらのことから,日常のケアにブラシ刺激を取り入れることで,脳の活性が期待できると考える。
著者
森田 婦美子
出版者
奈良佐保短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13485911)
巻号頁・発行日
no.15, pp.101-109, 2007

最後まで自分らしく生きるためにもっとも重要なことは,身体の全てを使うことである.使わないことで起こる廃用を予防することが大きな課題である.老化によって運動量が低下すると,運動機能が低下する.運動機能の低下は本人のやる気や意欲まで低下させる要因となる.いったん要介護状態になると,要介護状態から脱出するのは困難なことが多い.そのためには,要介護状態にならない努力が必要である.加齢には個人差があるが身体の変化が起こる.この変化を高齢者自身が気付かず,これまでどおりの生活スタイルで生活していると,転倒などの事故を起しQOLの低下をきたす.そのような事故から身を守るため,自分の身体の動きを変える能力を養うことが重要となる.自分の身体をどのように動かすかという,動き方を覚える学習,空間の中で自分の身体の動きを変化させていく学習が必要である.そのために身体知として,自分の身体が理解できる動きの学習を行なうことが重要である.
著者
森田 婦美子
出版者
奈良佐保短期大学
雑誌
研究紀要 (ISSN:13485911)
巻号頁・発行日
no.15, pp.93-99, 2007

介護予防は福祉的・医療的意味合いが大きい.しかし,介護予防支援を福祉的社会システムとして考えるのではなく教育として考え,高齢者自らが「こころ」と「からだ」に対して,関心を寄せる自立・自律に対する構えととらえると,積極的な学習として取り組みができるようになる.平均寿命が長くなり,定年以降の人生の生活設計を組み立てることはこれから重要な課題となる.健康はより良く生きるため,生活の満足度などを高めるために重要な要因となり,積極的に生きることの指標となる.介護予防を自らの健康に対する教育であるという視点に立ち「教育=自律」として,高齢者に学習の動機づけを行っていかなければならない.