著者
森田 武志
出版者
北海道大学観光学高等研究センター
雑誌
CATS 叢書 (ISSN:21853150)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.249-270, 2012-03-31

観光資源としてのコンテンツを考える : 情報社会における旅行行動の諸相から = Current Issues in Contents Tourism : Aspects of Tourism in an Information-Based Society
著者
森田 武志
巻号頁・発行日
2010-09-24

本研究では、近年になり地域の内外で広く知られるようになり、観光資源としても注目されている札幌スープカレーという地域の食を事例として、次の点を明らかにすることを目的としている。1) 札幌スープカレーが地域内外に定着した背景を明らかにすること。事例を一つの確立した地域ブランドととらえ、ここに、企業ブランド論におけるブランドアイデンティティやブランドイメージ、コンテクストの共有といった視点を持ち込み、現象を分析すること。2)上記の事例分析を踏まえ、今後、他の地域の食文化を観光や地域の振興に活用する際に取りうる戦略の可能性を検討すること。研究の背景としては、近年、地域の食を観光や地域の振興に活用することに成功している事例が増えており、これらのB 級ご当地グルメに注目が集まっている。そして、このような取り組みは、地域ブランドの形成という形で論じられることが多いが、実際に先行する企業ブランドの理論や知見を通じて理論的な背景を明らかにしたものは少ないため、研究の蓄積が必要である。また、企業ブランドと地域ブランドの間には相違点も多いことが指摘されており、今後の地域ブランド論にとってはこの点を明らかにすることも重要であるという目的意識がある。よって、本論では、地域ブランドとして確立した事例として、札幌スープカレーを選び、企業ブランド論のコンテクストブランディングという枠組みから分析を行った。第1 章では、研究の背景と目的、本論の流れを整理した。第2 章では、文献による先行研究のレビューおよび仮説の提示を行った。第3 章では、スープカレーに関する事例調査を実施した。調査内容は大きく分けて2つあり、まず一つは、文献や新聞・雑誌等のメディア調査である。もう一つは地域内住民に対するアンケート調査および札幌スープカレーに関係する人々に対するインタビュー調査である。第4 章では、第1 章の先行研究および第3章で得られたデータをもとに、札幌スープカレーが地域内外に受け入れられるに至った過程を、ブランド論の枠組みで考察し、仮説の検証をおこなった。結論として、次の2つのことが明らかとなった。1つ目は、札幌スープカレーは、まず地域内でブランドイメージが共有され、それが地域ブランドのブランドアイデンティティとなり、地域外に受け入れられ評価されるようになっていることである。2つ目は、札幌スープカレーは、ブランドの推進主体や、歴史的な背景が無いにも関わらず、地域内でブランドイメージが共有されており、その背景には、札幌スープカレーが持つ豊富なコンテクストにより、地域内でのブランドコミュニケーションが活発に行われたという理由が存在することがわかった。
著者
森田 武志
出版者
北海道大学観光学高等研究センター = Center for Advanced Tourism Studies, Hokkaido University
雑誌
CATS 叢書 (ISSN:21853150)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.249-270, 2012-03-31

観光資源としてのコンテンツを考える : 情報社会における旅行行動の諸相から = Current Issues in Contents Tourism : Aspects of Tourism in an Information-Based Society
著者
福永 陽子 隈部 洋平 西村 一成 初川 博厚 北 真一郎 森田 武志 当麻 正直
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.177-182, 2018 (Released:2018-11-13)
参考文献数
20
被引用文献数
1

甲状腺未分化癌は極めて治療抵抗性で予後不良な癌であるが,2015年に登場した分子標的薬レンバチニブは,甲状腺未分化癌に対して画期的な抗腫瘍効果を示すことが報告されている。今回,レンバチニブによる頸動脈出血をきたし不幸な転帰をとった甲状腺未分化癌例を経験したので報告する。症例は73歳の女性で,甲状腺未分化癌に対してレンバチニブによる治療を行い短期間で劇的な腫瘍縮小効果を得た。治療開始57日目に食道穿孔および縦隔炎をきたしたため,レンバチニブを休薬したが,休薬後3日目に頸動脈出血をきたした。救命目的に緊急ステントグラフト留置術を施行したが,術中に総頸動脈閉塞をきたし脳梗塞により永眠された。
著者
森田 武志 藤木 暢也 倉田 響介 岡野 高之
出版者
The Society of Practical Otolaryngology
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 (ISSN:00326313)
巻号頁・発行日
vol.92, no.12, pp.1355-1357, 1999-12-01

A 49-year-old male was treated for chronic tonsillitis with brachytherapy 40 years ago. The inflammation of the tonsils was improved by the treatment. On August 18th, 1998, he consulted our hospital complaining of sudden throat pain. The pain deviated to the left, intensified with eating and continued for several hours every day for one month. An X-ray revealed a metallic foreign body in his left tonsil. A left tonsillectomy was done on January 14th, 1999, and the foreign body was removed completely. It was a small gold tablet, 3×1×1mm in size. A scintillation counter proved that the metallic foreign body was a radon (<sup>220</sup>Rn) seed. This is a rare case of a radon seed buried in the left tonsil of a patient for 40 years.