著者
若林 茂 里内 美津子 植田 由香 大隈 一裕
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.33, no.6, pp.557-562_1, 1992-12-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
13
被引用文献数
10 15

馬鈴薯デンプンを加熱, 酵素処理して調製した水溶性食物繊維 (一般名: 難消化性デキストリン, 商品名: パインファイバーC, 以下PF-C) について機能性食品素材として開発を進めるに当たり急性毒性及び変異原性試験を実施した. さらにラットを用いて便通に及ぼす影響を検討した. (1) マウスを用いた急性毒性試験においてPF-C摂取による死亡例は最大投与可能量の20g/kgにおいても見られなかった. (2) 細菌を用いた変異原性試験において, PF-Cは代謝活性化の有無に関わらず復帰変異コロニー数を増加させなかった. (3) ラットを用いた単回投与試験においてPF-Cのふん便への排泄率は約36%であった. (4) PF-C連続投与により盲腸重量は増加し, さらに盲腸内容物のpHの低下が観察された. また, PF-Cは14.29g/kg wt. (1g/70g wt.) において下痢を誘起しなかった. (5) PF-Cの連続投与により食餌の消化管通過時間は非投与群に比して有意に短縮された.
著者
若林 茂 植田 由香 松岡 瑛
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.46, no.2, pp.131-137, 1993 (Released:2010-02-22)
参考文献数
26
被引用文献数
8 15

馬鈴薯デンプンより調製した低粘性水溶性食物繊維である難消化性デキストリン (PF-C) について, 各種糖質負荷後の血糖値およびインスリン分泌に及ぼす影響を検討した。1) PF-Cの血糖値上昇抑制効果はショ糖およびマルトースに対して, またインスリン分泌の抑制効果はショ糖, マルトースならびにマルトデキストリンに対して有意に認められた。しかし, グルコース, 異性化糖あるいはラクトース負荷後の血糖値およびインスリン分泌に対してPF-Cは有意な影響を及ぼさなかった。2) PF-Cはスクラーゼ活性を微弱ながら上昇させたが, マルターゼ活性に対しては有意な影響を及ぼさなかった。3) in situ小腸灌流実験において, PF-Cはグルコースの吸収にはほとんど影響を与えなかうたのに対し, ショ糖およびマルトースの消化により生じたグルコースの吸収はいずれも有意に抑制した。
著者
植田 由香 若林 茂 松岡 瑛
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.36, no.9, pp.715-723, 1993-09-30 (Released:2011-03-02)
参考文献数
14
被引用文献数
2

難消化性デキストリン (PF-C) の耐糖能改善効果を健常人において評価した.(1) PF-C (3, 6, 30g) 添加・非添加条件下, ショ糖30gを含む炭酸水100mlを成人男性6名に投与し, 耐糖能および負荷後2時間尿のC-ペプチド (U-CPR) 値を測定した. 負荷後30分の血糖値の平均変化率は前値を100%とすると, ショ糖単独154%に対してPF-C3および6g摂取時はいずれも141%と有意に低値であった (30g摂取時146%). U-CPR値はPF-C 6g摂取時に最も低下し, ショ糖単独 (4.62±0.72μg/2hr) の86%であった. 以上から, PF-Cの最有効添加量はショ糖30gに対し6gと推定した (2) ショ糖30gを含む水羊羮 (100g) を成人35名に投与したところ, PF-C6g摂取時のU-CPR値は非摂取時 (5.71±0.78μg/2hr) の78%に低下した. さらに, 試験前臨床検査において上半身肥満男性6例のBG, T-Cho, TG, γ-GTPは正常体型男性 (25例) に比べ有意に高値であり, PF-C 6g摂取によるU-CPRの低下効果はより顕著に認められた (非摂取時の61%).