著者
楠 幹江 山田 俊亮 Mikie Kusunoki Shunsuke Yamada
出版者
安田女子大学大学院
雑誌
安田女子大学大学院紀要 = The journal of the Graduate School, Yasuda Women's University (ISSN:24323772)
巻号頁・発行日
no.23, pp.171-182, 2018-03-31

衣・食・住などの生活は,生きる基本であり,幸せの基盤でもある。家政学はこの人間の生活を研究対象としており,生活の向上と人類の福祉を目的としている。「人類の福祉」の「福」「祉」は,共に幸せを意味する言葉であり,このため,家政学そのものを,幸せを追求する学問として捉えることができる。幸せとは何か?を検討する場合,健康をキーワードとすることは意味があることだと考える。ここでの健康は,WHO 憲章における内容を意味している。すなわち,「肉体的,精神的,社会的に完全に良好な状態である」ことが,健康の意味する内容である。したがって,衣・食・住それぞれの生活において,肉体的,精神的,社会的に良好な状態を維持することが,幸せな生活に繋がると考える。そのために,個人でできることは,家庭生活の営み行動を重視することである。
著者
佐藤 昌子 楠 幹江 奥山 春彦
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.123-128, 1974-04-25 (Released:2010-09-30)
参考文献数
4

目的: 脱水後の布の含水率が, 再汚染におよぼす影響を検討するため, ローラー式絞り機と遠心脱水機を用いて, 比較実験を試みた.方法: 試料布5種, 汚れ粒子2種, 界面活性剤3種を使用した.結果: (1) ローラー絞りでは, 含水率が減少するにつれて, 汚れ付着量も減少する傾向がみられるが, 脱水機では.必ずしも, 同様な傾向はみられなかった.(2) 同一含水率における汚れ付着量は, ローラー絞りよりも脱水機の方が多い.(3) 分散液の粒子の分散状態と汚れ付着量の関係は, 汚れ粒子や界面活性剤の性質などにより異なり, 種々の汚れ付着量を示す.
著者
楠 幹江
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
一般社団法人日本家政学会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
pp.151, 2005 (Released:2005-12-08)

目的:健康の視点から靴下の効用を考えると、足部の保温性や皮膚の保護、清潔などが考えられる。これらの効用は、当然ながら、靴下の物理的形状により異なると思われるが、本研究では、普通靴下と5本指靴下を使用して、その相違を検討した。<BR>方法:普通靴下と5本指靴下の相違を検討するため、女子学生を対象として、アンケート調査および被験者実験を試みた。アンケート調査では、靴下の形状による健康観の相違をたずねた。また、被験者実験では、素材を綿100%に限定した両者の靴下を使用して、皮膚表面温度の測定(サーモトレーサーを使用)、血圧・心拍数の測定、足型の測定(フットプリンターを使用)、疲労度の測定(むくみの検討:下肢の5カ所の周経を測定)、靴下の形状による相違を検討した。<BR>結果:1. アンケート調査による意識調査の結果、5本指靴下に対する健康的イメージ度は高い結果が得られた。一方、ファッション的イメージ度は高くもなく低くもなくといった中間的な結果であった。2.サーモトレーサーによる皮膚表面温度の測定結果、安静時における表面温度は普通靴下着用時が高いが、運動後の表面温度は5本指靴下の方が高い結果が得られた。靴下の形状による保温効果の相違はあると考えられる。3.疲労度の指標として、14時間着用後の足のむくみを測定した結果、普通靴下着用よりも5本指靴下着用の方がむくみが少ない傾向が得られた。4.フットプリンターによる歩行時の足型を検討した結果、普通靴下着用よりも5本指靴下着用の方が素足に近い足型が得られた。靴下の形状による歩行状態の相違はあると考えられる。
著者
楠 幹江 山田 俊亮
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.24-32, 2019 (Released:2019-01-25)
参考文献数
8

著者らは, カンボジア王国シェリムアップ州バイヨン中学校において, 女子生徒を対象に家庭科の授業実践を行っている. 本稿は, カンボジアの被服文化に即した巻きスカート型の制服の下衣の製作を中学家庭科の実習授業として行うことを目的としたものであり, グループ学習ならびにルーブリックを取り入れた授業の検証を行った. 制服を題材としたことは, 生徒達にとって, 学ぶ楽しみと友人との語らいを提供する大切な衣服であるという点を重視したことによる. この制服を自分で製作し, 清潔に扱い, 最後まで活用する方法を身につけることは, 家庭科が目的としている「生きる力」を育むことにつながると考える. 以上のような試みを, カンボジアにおける家庭科の授業の充実化ならびに生活の向上を目指し, 日本からカンボジアへの家政学を介した国際協力手法の試みとして本稿では報告する.
著者
楠 幹江
出版者
安田女子大学
雑誌
安田女子大学紀要 (ISSN:02896494)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.153-161, 2007-02-28
著者
楠 幹江
出版者
社団法人日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.233-239, 1990-03-05

This study was conducted to investigate the seasonal differences on comfort of mattress by means of body movement. Three parameters, i.e., frequency of body movements per hr, maximum and mean rest period time, were used as an indicatoro of comfort. Samples tested were A, B and C, hardness of which was 25, 29 and 44°, respectively. The softest sample was gained from the sample of 25°. Experiments were carried out in both summer and winter, and the results were compared with the sensory evaluation of touching on each sample. The results were as follows: 1)On evaluation using the 3 parameters, sample B was the best quality, which was followed by samples C and A in both seasons. 2)On evaluation of touching, sample A was the most favorite mattress, which was followed by samples B and C in both seasons. 3)The evaluation using the 3 parameters did not agree with the evaluation of touching. It is desirable that the selection of mattress should be based on the scientific justification.