- 著者
-
楠原 浩一
- 出版者
- 日本臨床免疫学会
- 雑誌
- 日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
- 巻号頁・発行日
- vol.34, no.5, pp.401-407, 2011 (Released:2011-10-31)
- 参考文献数
- 28
- 被引用文献数
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PFAPA症候群(periodic fever, aphthous stomatitis, pharyngitis and adenitis syndrome)は,アフタ性口内炎,咽頭炎/扁桃炎,頸部リンパ節炎を主な随伴症状とする3~6日程度の発熱発作を比較的規則的に繰り返すことを特徴とする,非遺伝性の自己炎症疾患である.わが国では周期性発熱症候群の中で最も高頻度であると考えられている.本症には明らかな遺伝性はみとめられず,原因となる遺伝子も同定されていないが,何らかの遺伝的要因が発症に関与している可能性がある.鑑別診断として遺伝性周期性発熱症候群と周期性好中球減少症が重要である.病因はいまだ不明であるが,最近の研究結果から,環境因子により補体系とIL-1β/IL-18の活性化が誘発されて,同時にTh1ケモカインの誘導とそれに引き続く活性化T細胞の末梢組織への集積がおこっていることが推定されている.また,IP-10/CXCL10は他の周期性発熱症候群との鑑別に有用なバイオマーカーである可能性がある.治療法はまだ確立していないが,これまで不明であった病因,病態の解明が進んでおり,それに基づいて治療法の見直しや新規治療法の開発が進められていくものと考えられる.