著者
高田 利武 橋本 仁司
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.77-85, 1973-12-30 (Released:2010-11-26)
参考文献数
26
被引用文献数
1

本研究は不充分な正当化により惹起される不協和の効果とそれの発生する付加的条件を分析的に解明することを目的とする. Freedman (1963) は魅力を欠く作業を行なうことに対する正当化が少ない場合作業への好みが増大する “不協和効果” は, その正当化が作業に先だって与えられた場合に限って現われることを見出したが, 作業自体が著るしく魅力に乏しいものであれば作業後に正当化が与えられた場合でも “不協和効果” が生ずることが仮説され, 二つの実験が行なわれた.実験Iでは連続10分間休憩なしに加算作業を被験者に行なわしめることにより不快な興味に乏しい作業が創出され, 実験IIでは先行実験と同じく乱数を記入する作業が用いられた. 正当化の程度とそれを与える時期はFreedman (1963) に大略準拠して操作された.実験Iでは正当化を与える時期に拘らず正当化の程度が小である時にはそれが大である場合よりも有意に (p<. 01) 作業は魅力あるものと評価された. 一方実験IIでの作業は実験Iの作業よりも元来魅力のあることが判明し, ここでは正当化の程度とそれを与える時期との交互作用は有意 (p<. 01) で, 作業前に正当化が与えられる時にのみ “不協和効果” が得られ, 先行諸実験の結果と一致した. これらは上記の仮説を支持するものである.以上の結果に関連して, 発生した不協和の低減手段および正当化の時期と不協和発生の有無について若干の論議がなされた.
著者
橋本 仁 内海 富博 行松 健一
出版者
農業情報学会
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.9-21, 2007 (Released:2007-04-10)
参考文献数
14
被引用文献数
4 5

本論文は,秋田県大潟村を適用対象と想定した農業支援のための情報ネットワーク構築に関する検討結果を述べるものである.当面の実現目標は,リアルタイムビデオ信号も伝送しうる10 Mbpsオーダの通信ネットワークであり,現状では電力供給手段のない圃場全体をいかに安価にカバーするかが,最大の研究課題である.具体的には,IEEE 802.11 b/g規格の公衆無線LAN用機器と小型風力/太陽光発電システムを用いた系を考え,現地での気象条件や地理的条件を考慮したシステム設計法を検討した.さらに,検討結果の妥当性を検証するため,実験システムを大潟村に構築し,実機による動作実験を行った.技術的には,IEEE 802.11 b/g規格の機器を用いて通信速度10 Mbps以上での長距離無線伝送を達成することが最も大きな課題であったが,3区間構成のマルチホップ無線伝送によって,排水路の水位を測定するための水位計と監視用ビデオカメラの情報を,約8 km離れたサーバに正常に伝送できることを確認した.
著者
橋本 仁 五十嵐 秀平 行松 健一 村山 秀胤 宮村 崇 塩本 公平
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.91, no.6, pp.645-654, 2008-06-01
被引用文献数
2

MPLSにおけるトラヒックエンジニアリング(MPLS-TE)では,与えられたトラヒックを収容する際,各リンクの利用率に注目してその最大値が最小になるパス設定を考える.実際の動的なネットワーク環境下では,トラヒックの変動に応じて最適化を行いネットワークを再構成するのが望ましい.しかし,この再最適化は多くのトラヒックに対するLSPの再設定につながりかねず,切換時にパケット欠落や順序逆転などの転送品質の劣化の原因となり得る.本論文では,動的にMPLS-TEを行う際,全トラヒックの中からいくつかのトラヒックを選択し,選択トラヒックに対してのみLSP再設定を行う部分的な最適化手法を提案する.線形計画法による定式化では再設定トラヒック本数,したがってトラヒック量を明示的に限定することができるため,パス切換に伴う品質劣化リスクも限定可能と考えられる.また再設定トラヒックはトラヒック量から定め,イングレスルータでの測定量から決定可能なものである.この結果,明示的に対象トラヒック量を制限した場合であってもグローバル再最適化に近い効果が得られることが分かった.またシミュレーションの結果から,ほとんどの場合,再最適化対象のトラヒック量を約25%に制限した場合であっても,グローバル再最適化時の1.1倍程度の最大リンク利用率を実現できる結果を得た.これらのことから,パス再設定時のトラヒックヘの影響であるネットワーク品質劣化のリスクを限定あるいは低減する手法として有効であることを明らかにした.