著者
松島 綱治 橋本 真一 倉知 慎 上羽 悟史 阿部 淳
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

伝子発現解析の結果からケモカイン受容体CXCR3に着目したところ、CD8陽性T細胞の活性化直後のリンパ組織内局在をCXCR3が制御することで、その後の免疫記憶CD8陽性T細胞の形成に影響を及ぼしていることが明らかになった。また、メモリー細胞において、CTLに特徴的なサイトカインやケモカインなどの遺伝子群の顕著な発現量上昇、細胞老化と関連深いリボゾーム蛋白類の発現量低下とを認めた。さらに一次メモリーと比較して、二次メモリーCTLではNK細胞特異的遺伝子の発現量上昇が認められ、老化メモリーCTLの特徴となることを明らかにした。
著者
田邉 規和 播磨 夕美子 橋本 真一 寺井 崇二 山﨑 隆弘 坂井田 功
出版者
山口大学医学会
雑誌
山口医学 (ISSN:05131731)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.33-37, 2013-02-01 (Released:2013-03-14)
参考文献数
11

症例は31歳の女性.18歳時にCrohn病と診断され,当科での治療を開始された.経腸栄養療法や5-ASA製剤,ステロイドや抗TNFα抗体製剤等の内科的治療を行うも効果不十分であり,消化管合併症の悪化から24歳時に回腸部分切除術,26歳時に回盲部切除術,28歳時に回腸および上行結腸切除術を施行し,残存小腸は約280cmとなった.その後も症状は安定せず,成分栄養剤による経腸栄養療法を勧めるも患者の理解が得られず,長期の絶食および中心静脈栄養を施行していた.31歳時頃より,見当識障害および活動性低下が認められたため当科入院となった.腹部骨盤単純CT検査上,肝萎縮を伴う肝硬変の状態と考えられ,血液生化学検査にて著明な肝機能障害およびアンモニア値の上昇を認めたため,非代償性肝硬変症による肝性脳症と診断された.血液検査上HBVおよびHCV感染は否定され,飲酒歴もなく,以前より脂肪肝が認められ,肝胆道系酵素の上昇も認められていたことから,非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)による非代償性肝硬変と診断した.年齢と肝機能から肝移植を考慮したが,適したドナーがいなかったことと,患者が肝移植を希望しなかったことから対症療法を継続した.その後もCrohn病や肝硬変の加療で入退院を繰り返し肝不全により死亡した.重症Crohn病の経過中に複数の要因からNASHを併発し非代償性肝硬変症へ進展した,極めてまれな症例を経験したため報告する.
著者
橋本 真一 土井 晃一郎 松島 綱治 鳥越 俊彦
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

細胞集団の1細胞ずつの性格を明らかにし、真の細胞状態を把握することは生物学の研究にとって非常に重要である。本研究では微量/1細胞トランスクリプトーム解析法を開発し、がん細胞や免疫細胞の細胞集団の階層性を明らかにし、真の細胞状態を把握することで将来的に臨床研究に役立てることを目的とする。本研究では単一細胞遺伝子発現解析の発展系として数百以上の1細胞の遺伝子発現を同時に観察出来る革新的な技術(Nx1-seq)を開発した。この方法を用いて新たにがん細胞株、免疫細胞の1細胞遺伝子解析を行い有用性を確認した。
著者
菅野 純夫 中井 謙太 橋本 真一 山田 智之 土井 晃一郎
出版者
東京大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

われわれが開発したオリゴキャッピング法による完全長cDNAライブラリーを基盤に、特定領域研究「生命システム情報」及び特定領域研究「比較ゲノム」と連携し、多種類の生物の完全長cDNAリソースの整備とトランスクリプトーム解析を行った。同時に、次世代シークエンサーとオリゴキャップ法を組み合わせて、ゲノムワイドに転写開始点を同定し、その発現量を半定量的に測定する方法を確立した。