著者
有川 順子 檜垣 祐子 高村 悦子 川島 眞
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.112, no.8, pp.1107-1110, 2002-07-20 (Released:2014-12-27)
被引用文献数
1

眼瞼を含む顔面の皮疹が高度で,顔面へのステロイド外用量が5g/月程度のアトピー性皮膚炎患者25人を対象とし,経時的に眼圧の測定を行い,ステロイド外用療法の眼圧への影響を検討した.その結果,開始時に1人(4%)で軽度の眼圧上昇を認めた以外は,7カ月~2年8カ月の観察期間中,眼圧の上昇は認めず,前述の1例ではその後眼圧がさらに上昇することもなかった.より多数例での検討を要するものの,今回の検討からは,顔面へのステロイド外用療法はミディアムクラス5g/月程度の使用量では眼圧上昇の原因にはなりにくいと考えられた.
著者
有川 順子 檜垣 祐子 高村 悦子 川島 眞
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.112, no.8, pp.1107-1110, 2002-07-20
参考文献数
18
被引用文献数
2

眼瞼を含む顔面の皮疹が高度で,顔面へのステロイド外用量が5g/月程度のアトピー性皮膚炎患者25人を対象とし,経時的に眼圧の測定を行い,ステロイド外用療法の眼圧への影響を検討した.その結果,開始時に1人(4%)で軽度の眼圧上昇を認めた以外は,7カ月~2年8カ月の観察期間中,眼圧の上昇は認めず,前述の1例ではその後眼圧がさらに上昇することもなかった.より多数例での検討を要するものの,今回の検討からは,顔面へのステロイド外用療法はミディアムクラス5g/月程度の使用量では眼圧上昇の原因にはなりにくいと考えられた.
著者
高村 悦子
出版者
東京女子医科大学
雑誌
東京女子医科大学雑誌 (ISSN:00409022)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.E8-E14, 2012-01-31

アレルギー性結膜疾患は、I型アレルギーが関与する結膜の炎症性疾患であり、臨床所見の特徴から、アレルギー性結膜炎(季節性、通年性)、春季カタル、アトピー性角結膜炎、巨大乳頭結膜炎に分類される。スギ花粉症を代表とするアレルギー性結膜炎の治療は、花粉飛散開始前から抗アレルギー点眼薬を開始する初期療法が、花粉飛散ピーク時の症状を緩和する。抗アレルギー点眼薬のうち抗ヒスタミン作用を有する抗アレルギー点眼薬には即効性が期待できる。花粉飛散ピーク時で症状がおさまらなければ、ステロイド点眼薬を併用する。また、セルフケアとしては、防腐剤無添加人工涙液での洗眼や外出時のゴーグルの装用が役にたつ。,重症春季カタルの治療としては、抗アレルギー点眼薬、ステロイド点眼薬、免疫抑制点眼薬の併用が有用である。症状の改善に伴いステロイド点眼薬から漸減する。現在、本邦では、2種類の免疫抑制点眼薬(0.1%シクロスポリン、0.1%タクロリムス)が認可されている。シクロスポリンは、抗アレルギー点眼薬とステロイド点眼薬の併用により、ステロイド点眼薬の漸減が可能である。タクロリムス点眼薬は、ステロイド抵抗性の重症例に対しても単剤で効果がみられる。