著者
武若 耕司
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.889-895, 2012 (Released:2013-10-01)

土木学会コンクリート委員会けい酸塩系表面含浸材設計施工研究小委員会では,コンクリート表面保護工法のうち,表面含浸工法に分類されるけい酸塩系表面含浸工法を対象として,この工法によるコンクリート表面の改質,ひび割れ補修あるいは各種劣化に対する抑制のための設計ならびに施工に関する技術指針と,性能評価のための試験方法を制定することを目的とし,活動を行った。けい酸塩系表面含浸材の主成分は,セメントの水和によって生じる水酸化カルシウムと反応し,コンクリート中にC-S-Hゲルを生成させるものである。このようなけい酸塩系表面含浸材の性能をより高く発揮させるには,種類に応じた適切な養生を行うことが重要である。本指針(案)では,けい酸塩系表面含浸材がコンクリートの表層部を改質するメカニズムに応じて,固化型と反応型に分類することを提案し,それぞれの型に応じた施工と養生を行う設計と施工の体系を示した。
著者
福留 祐一 武若 耕司 山口 明伸 前薗 祐也
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.472-478, 2013-02-25 (Released:2013-12-02)
参考文献数
6
被引用文献数
2 2

塩害抵抗性向上を目的としてCaO・2Al2O3微粉末を混合したコンクリートについて、塩分浸透性の他、強度発現性、中性化等の基礎的特性を検討した。このうち、海洋暴露試験により検討した塩分浸透性については、塩化物イオンの固定化能力の向上ならびに、浸透抑制効果が確認された。また、普通コンクリートでは、その初期養生が短いと塩化物イオン固定化能力は大きく低下するが、CaO・2Al2O3微粉末を混合すると、養生期間に左右されず塩害抵抗性の高いことを確認した。また、中性化抵抗性については、普通コンクリートと同程度の性能が確保され、実構造物への適応は十分に可能であると考えられた。
著者
武若 耕司
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.50, no.10, pp.889-895, 2012-10-01

土木学会コンクリート委員会けい酸塩系表面含浸材設計施工研究小委員会では,コンクリート表面保護工法のうち,表面含浸工法に分類されるけい酸塩系表面含浸工法を対象として,この工法によるコンクリート表面の改質,ひび割れ補修あるいは各種劣化に対する抑制のための設計ならびに施工に関する技術指針と,性能評価のための試験方法を制定することを目的とし,活動を行った。けい酸塩系表面含浸材の主成分は,セメントの水和によって生じる水酸化カルシウムと反応し,コンクリート中にC-S-Hゲルを生成させるものである。このようなけい酸塩系表面含浸材の性能をより高く発揮させるには,種類に応じた適切な養生を行うことが重要である。本指針(案)では,けい酸塩系表面含浸材がコンクリートの表層部を改質するメカニズムに応じて,固化型と反応型に分類することを提案し,それぞれの型に応じた施工と養生を行う設計と施工の体系を示した。
著者
武若 耕司
出版者
コンクリート工学
雑誌
コンクリート工学 = Concrete journal (ISSN:03871061)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.16-23, 2007-02-01
参考文献数
16
被引用文献数
1 5

シラスコンクリートは, 用いる細骨材の全てをシラスとしたコンクリートと定義される。シラスは, 南九州に大量に存在する火砕流堆積物の総称であり, 乱した状態では砂状になることから, 以前よりこの地域では, 細骨材としての利用可能性について検討が行われていたが, 1990年代後半に入り, 海砂の採取規制に伴う代替骨材として着日されるようになり, 検討が本格化してきた。そして, 2006年1月に, 鹿児島県より『2005年制定 シラスを細骨材として用いるコンクリートの設計施工マニュアル (案) 』が発刊されるに至った。本文では, このマニュアル (案) の内容を基に, シラスコンクリートの主な特微, 配合設計法および施工⊥の注意点などを概説するとともに, 実用化の事例ならびに今後の展望を示す。
著者
福永 隆之 武若 耕司 山口 明伸 審良 善和
出版者
公益社団法人 日本コンクリート工学会
雑誌
コンクリート工学論文集 (ISSN:13404733)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.21-31, 2018 (Released:2018-05-15)
参考文献数
12
被引用文献数
2

本研究の目的は,鹿児島県各地に分布するシラスを混和材として利用したセメント系材料の耐塩害性能の評価である。その際,主に,試験前後の生成物の変化や各種塩化物イオン量に着目することにより,シラスを用いた供試体の塩化物イオンとの反応性および塩分浸透特性について明らかにすることを試みた。その結果,シラスを混和した供試体は,塩水浸漬環境下において,シラスの反応率が促進されることを確認した。加えて,塩化物イオン固定化率の上昇および見掛けの拡散係数が低下する結果を得た。これは,シラスを混和することにより,ポゾラン反応生成物が生成され,その水和物によって,内部組織の緻密化および塩化物イオンの固定が起きたためと考察した。また,シラス中の微粒分の含有割合が大きいほどシラスの反応率および耐塩害性能が高いことが示された。
著者
武若 耕司 上田 多門 丸屋 剛 山口 明伸
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、海洋コンクリート構造物の完全非破壊型塩害予知システムの構築を目的とし、ハードおよびソフトの両面から実験的ならびに解析的検討を実施した。主な研究成果は以下の通り。(1)構造物の劣化進行を予測する塩害劣化シミュレーションモデルを構築した。(2)供用構造物中の塩害劣化進行をモニタリングし,構造物の劣化予知が出来るシステムを確立した。(3)劣化予知にあたって既定値とすべきパラメータ(腐食発生限界塩化物イオン濃度やひび割れ発生限界鉄筋腐食量)を定量化した。