著者
氏田 博士
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
オペレーションズ・リサーチ : 経営の科学 (ISSN:00303674)
巻号頁・発行日
vol.51, no.10, pp.646-654, 2006-10-01

まず最近多発する組織事故や不祥事とは何かを考察する.次に安全を担保するための深層防護やりスク概念などの方法論を整理しさらにその基本となるリスク論の問題点を摘出する.リスク論が安全・安心の考え方の基本として認められるためには,人間信頼性評価や組織の信頼性評価の方法論としての十分な検証が必要である.さらに,安全性向上のためには,組織として技術的に考慮すべき安全文化や技術者倫理やりスタリテラシーなど,また社会側から組織や技術システムへ働きかける仕組みも不可欠である.最後に,安全性を向上するための安全ファンドなどの積極的な枠組みの動向についても述べる.
著者
氏田 博士
出版者
一般社団法人 日本原子力学会
雑誌
日本原子力学会和文論文誌 (ISSN:13472879)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-11, 2011 (Released:2012-03-17)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

Energy security was a major concern for OECD governments in the early 1970s. Since then, successive oil crises, volatility of hydrocarbon prices, as well as terrorist risks and natural disasters, have brought the issue back to the centre stage of policy agendas. Here, an energy security concept has been proposed, which is defined by time frame and space frame as well. Wide-meaning energy security is divided broadly into two categories. One is short-term (∼10 y) energy crisis, which is narrow-meaning energy security. Short-term energy crisis is further divided into contingent crisis, such as energy supply chain (sealane) interruption due to conflict, accident, terrorism, etc., and structural crisis, such as price fluctuations, supply shortage, energy demand increase in Asia, technology development stagnation, etc. The other is long-term (∼100 y) energy crisis and global energy problems, such as fossil fuel exhaustion and global warming.
著者
氏田 博士
出版者
日本信頼性学会
雑誌
日本信頼性学会誌 信頼性 (ISSN:09192697)
巻号頁・発行日
vol.26, no.6, pp.529-541, 2004
被引用文献数
2

安全性向上のために組織として技術的に考慮すべき内容は,安全文化や関連する組織過誤また倫理などの管理的思想および深層防護やリスグ概念などの工学的思想とに分けることができる.さらに安全確保には,社会側から組織や技術システムヘ働きかける仕組みが不可欠である.ここでは安全目標設定の考え方,安全に対する法律および規制・規格の機能,再発防止のための事故調査やインシデント分析の仕組み,等について述べる.さらに,組織から社会への視点も大切であり,リスク認知,リスクコミュニケーション,リスク受容について最近動向や個人的見解を述べる.