- 著者
-
飛山 義憲
谷口 匡史
紙谷 司
和田 治
水野 清典
- 出版者
- 日本理学療法士学会
- 雑誌
- 理学療法学 (ISSN:02893770)
- 巻号頁・発行日
- vol.44, no.4, pp.263-271, 2017 (Released:2017-08-20)
- 参考文献数
- 29
【目的】人工膝関節置換術(以下,TKA)後運動機能について標準的な入院期間のプログラム(Standard Program;以下,SP)に対する早期退院プログラム(Early-discharge Program;以下,EP)の非劣性の検証を目的とした。【方法】二施設間前向きコホート研究とし,対象は初回TKA を行うSP 施設59 名,EP 施設45 名とした。主要アウトカムは術後6 ヵ月のTimed Up & Go test(以下,TUG),副次アウトカムは同時点の膝関節可動域,膝関節伸展筋力,患者立脚型膝機能とした。TUG は非劣性の検証を,副次アウトカムは施設間の差の検証を行った。【結果】傾向スコア・マッチングにより患者背景を調整した43 ペアにおいて,EP 施設のTUG の非劣性が示され,副次アウトカムはいずれも有意差を認めなかった。【結論】TKA 後早期退院プログラムは標準的な入院期間のプログラムに対して,術後運動機能の回復は劣らないことが示された。