著者
川村 秀哉 杉岡 洋一 廣田 良夫 井上 一 黒坂 昌弘 緒方 公介 新名 正由 藤井 克之
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.44, no.1, pp.12-15, 1995-03-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
6
被引用文献数
12 12

We measured the incidence of osteoarthritis of outpatients in six university and thirty-six general hospitals. In addition we performed a case study on osteoarthritis of the knee to investigate physical and other factors associated with severity of symptoms, uning a selfadministered questionnaire.Investigation of the hospital statistics revealed that 7.6% of all orthopeadic patients had osteoarthritis of the knee, and 70% of these cases were females. Regarding age 97% of patients were over forty years of age, and 900, 000 men and women were newly diagnosed with this disease every year.Symptoms of this disease were more severe with increasing body weight and BMI (Body Mass Index) at the time of both initial examination and at forty years of age. Bluecollar workers presented with more severe symptoms than did other workers.
著者
大江 啓介 酒井 良忠 上羽 岳志 新倉 隆宏 三輪 雅彦 黒坂 昌弘
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.195-201, 2013 (Released:2013-05-31)
参考文献数
19
被引用文献数
1

目的:炭酸ガス療法は炭酸ガスを経皮吸収させることで血流増加やボーア効果による組織酸素分圧を上昇させる作用によって生体に効果を及ぼすものと考えられている.本稿では,炭酸ガスの経皮吸収がラットの運動パフォーマンスへ及ぼす影響とそのメカニズムについて検討した.方法:ラット(Wistar系)を回転かごで1 週間の走行テスト後,炭酸ガスを経皮吸収させる群(炭酸ガス群,8 匹),運動のみを行う群(運動群,8 匹),運動も炭酸ガスも行わない群(コントロール群,8 匹)の3 群に分け,運動群と炭酸ガス群に毎日(5 日/週)30 分間の運動を4 週間実施した後で,すべての群の前脛骨筋を摘出し組織学的・生化学的に筋線維を解析した.結果:炭酸ガス群でコントロール群と比べて有意に運動パフォーマンスが向上した.また,筋線維の解析では炭酸ガス群でIIB線維からIID線維,IIA線維への移行やミトコンドリア数および血管密度の増加を認めた.結論:炭酸ガス経皮吸収はリハビリテーション後やスポーツ後の疲労回復効果などの臨床においても応用が期待される.
著者
本山 美由紀 小野 玲 井上 順一朗 牧浦 大祐 三輪 雅彦 黒坂 昌弘 宇佐美 眞 黒田 大介
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.5, pp.711-715, 2010

〔目的〕本研究の目的は食道癌患者の術前と退院時における倦怠感,心理状態,QOLの変化について検討し,さらに倦怠感と心理状態およびQOLの相互関係について検討することである。〔対象〕食道再建術を施行した食道癌患者20名。〔方法〕倦怠感,心理状態(抑うつ,自覚ストレス),QOLについて質問紙を用いて評価した。術前と退院時の比較についてpaired t testを用い,倦怠感と心理状態およびQOLとの相互関係についてはPearsonの積率相関係数を用いて検定した。〔結果〕倦怠感は術前から退院時かけて強くなっていた。抑うつ,ストレス,QOLに関しては術前から退院時まで有意な変化が認められなかった。相互関係については,倦怠感と自覚ストレス,倦怠感とQOLに相関関係が認められた。〔結語〕倦怠感,心理状態,QOLを評価することは,患者の状況を十分に把握し,心理面に配慮したリハビリテーションを実施する上で重要であると考えられる。<br>
著者
杉山 幸一 伊藤 浩充 木田 晃弘 大久保 吏司 瀧口 耕平 黒田 良祐 水野 清典 黒坂 昌弘
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.34 Suppl. No.2 (第42回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.A1262, 2007 (Released:2007-05-09)

【はじめに】膝屈曲筋である大腿二頭筋は下腿の外旋、半膜様筋と半腱様筋は下腿の内旋作用を有している。これら3筋はそれぞれ2関節筋であるが、大腿二頭筋と半膜様筋は羽状筋であり、半腱様筋(以下ST)は紡錘筋であるように機能解剖学的に異なっている。本研究では、下腿回旋によって屈曲トルクとSTの収縮動態に影響を及ぼすのかどうかを明らかにすることを目的とした。【対象と方法】対象は膝周囲に外傷および障害の経験を有さない健常な成人8名(男性6名、女性2名、平均年齢21.3±0.89歳)16肢とした。膝関節等尺性屈曲トルクを腹臥位で測定した。膝屈曲角度は30度、60度、90度とし、下腿肢位を最大内旋位と最大外旋位で行った。収縮時間は20秒、間隔は40秒とし、最大トルク値を記録した。同時に超音波画像診断装置を使用して、ST腱画の最大水平移動量を測定した。測定値については、腱画移動量は大腿長で除して腱画移動率(以下SR)を求め、屈曲トルクを60度および90度の各トルクを30度の屈曲トルクで除してトルク率(以下TR)を求めた。統計処理にはJMP5.1Jを使用し、反復測定2元配置分散分析と対応のあるt検定を用いた。また、SRとTRとの関連についてはPearsonの相関係数を求めた。統計学的有意水準は5%未満とした。なお、ヘルシンキ宣言に基づき、被検者には書面ならびに口頭にて研究協力への同意を得た上で研究を実施した。【結果】ST腱の収縮動態からは、膝屈曲角度増加によるSRの有意な増加を認め、また30度と60度、30度と90度との間で有意差を認めた。さらに、SRは全ての角度において内旋位に比して外旋位で有意に低値を示した。一方、膝屈曲トルクは膝屈曲角度増加と共に有意な減少を示したが、下腿の内旋位と外旋位との比較では有意差はなかった。一方、TRについては、90度において内旋位と比較して外旋位で有意に高値を示した。SRとTRとの相関関係については、下腿内旋位では30度SRと90度TRとの間、外旋位では全SRと90度TRとの間に有意な負の相関関係が認められた。(r=-0.55~-0.67)【考察】膝角度の増加によりSRが増加したことと、SRとTRとの間に相関関係が認められ外旋位で顕著であったことより、STの静止張力の低下が深屈曲位でのトルク低下に影響していると考えられた。しかも、下腿内旋位と外旋位でのSR差はこの傾向が顕著に表れたものと考えられた。一方、SRのこのような動態の下腿回旋位の違いによる膝屈曲トルクへの影響は少なかったと考えられた。膝屈曲角度90度においてTRが下腿内旋位よりも外旋位の方が有意な高値を示したことは大腿二頭筋の活動優位性か、もしくは下腿外旋によるST張力増大を伴ったトルク増加が考えられるが、これらのことについては更なる検討が必要である。
著者
小川 真人 坪井 康典 杜 隆嗣 林 女久美 丸山 孝樹 三輪 雅彦 黒坂 昌弘 平田 健一
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.D4P1185-D4P1185, 2010

【目的】<BR>近年、急性心筋梗塞(AMI)患者の在院日数は短縮傾向にあるが、一方、二次予防を含めた包括的心臓リハビリテーションが重要視されている。AMIの有酸素性運動の処方強度としては嫌気性代謝閾値(AT)レベルが推奨されているが、これは心肺運動負荷試験による呼気ガス分析を用いなければ判定出来ない。その一方、運動強度が低すぎると効果が十分でないことが言われている。当院では、安全かつ効率的な心臓リハビリテーションプログラムを作成することが重要であると考え、最終的にはBorg Scale13程度でのトレッドミル歩行30分を退院時運動処方の目標としたAMIプロトコルを平成21年5月より運用開始したので、報告する。<BR><BR>【方法】<BR><B>対象</B><BR>平成21年5月~9月に、AMIを発症後、当院において経皮的冠動脈形成術(PCI)を施行された24名(年齢 64.0±13.6歳 Peak CPK 1940.3±1373.0 IU/l)。 <BR><B>プロトコル進行基準</B><BR>自覚症状の急性増悪/HR<120bpm/Lown分類:4a以内/2mm以上のST低下(水平型・下降型) 著明なST上昇がないこと/立位保持までは収縮期血圧変動<20mmHg(心タンポナーデリスクが高いと判断された場合には、主治医許可があるまで、血圧コントロールは継続すること)。<BR><B>運動負荷基準</B><BR>自転車エルゴメーターを用い、40~60%体重(BW) Watt×20分から開始。進行基準を満たしていることに加えて、運動処方中のSBPが増加しており、Borg Scale 14未満であれば、処方強度を20%BW Watt/日ずつ、処方時間は30分に増加した。エルゴメーター負荷によって確定した、Borg scale13の心拍数(HR)をトレッドミルでの処方強度とした。<BR><B>検討項目</B><BR>トレッドミル歩行達成率、平均トレッドミル歩行速度、平均処方HR<BR><BR>【説明と同意】<BR>対象者には当院の心臓リハビリテーションプログラムについて医師、理学療法士より説明の上、同意を得た。<BR><BR>【結果】<BR>トレッドミル歩行達成率は70.8%(17/24例)であった。未達成理由としては、プロトコル進行基準抵触群が12.5%(3/24例)、患者希望の早期退院群が16.6%(4/24例)であった。トレッドミル歩行平均速度4.4±1.3km/h、平均処方HR 101.2±13.3bpmであった。心事故発生件数は0件であった。<BR><BR>【考察】<BR>呼気ガス分析装置を用いないトレッドミル歩行導入プロセスを作成した。呼気ガス分析による正確な嫌気性代謝閾値の判定が出来なかったが、心事故を起こすことなく、プロトコル運用が可能であった。このことは、当院の運動負荷プログラムは呼気ガス分析を用いることが出来ない環境においても十分に実用的に運用し得るものであると考えられる。今後呼気ガス分析を使用し、現在の運動負荷基準や経時的に変化する主観的運動強度について検討、再考することが必要であると考えられる。<BR><BR>【理学療法学研究としての意義】<BR>AMIの早期運動処方に際し、心肺運動負荷試験による呼気ガス分析を用いず、運動負荷プログラムを実施したが、心事故は発生せず、安全にプログラムを遂行し得た。