著者
岡田 康志 川口 喬吾 池崎 圭吾 佐々 真一 神原 丈敏 榎 佐和子
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2019-06-28

生体分子モーターのin vitro での1分子計測を契機に、少数分子の非平衡系に対する統計力学・情報熱力学理論が近年大きく発展した。しかし、より生理的な条件あるいは細胞内での生体分子の挙動の理解には至っていない。本研究では、in vitro および細胞内での1分子計測と理論研究のフィードバックにより、細胞内のような本質的に非平衡な混雑環境を前提とした統計力学・情報熱力学の理論構築を行い、実際の生体分子機械に対してこれを適用することで、生体分子機械の設計原理の解明を行う。
著者
岡田 康志 松岡 里実 石島 秋彦 伊藤 創祐 川口 喬吾 池崎 圭吾 澤井 哲 佐々 真一 神原 丈敏 榎 佐和子 竹内 一将 猪股 秀彦 沙川 貴大 青木 一洋 小林 徹也 中島 昭彦 福岡 創
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2019-06-28

本領域は、生命現象を分子レベルから定量的に計測する技術の発展と、非平衡系の統計力学・情報熱力学理論の深化を背景とした、両者の融合領域である。生命現象の理解という具体的な課題に対して「情報を力、エネルギーと同列に物理的対象として議論する新しい物理学」を構築することで、生物学と物理学の間の新たな学際領域を開拓する。この目的を達成するために、本総括班は、領域内での生物系の実験研究と物理系の理論研究の学際融合研究を推進する
著者
池﨑 圭吾 (2013) 池崎 圭吾 (2012)
出版者
大阪大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2012

昨年度は、新たに作成したミオシンサンプルの生化学的特性等が、これまで用いていたサンプルと同等であることを確認するための実験を行い、使用予定のサンプルに問題がないことを確認した。また、サンプル作成に並行してレーザートラップ顕微鏡の構築を行った。光学系の構築は順調に進み、力学操作用のプローブ(ポリスチレンビーズ)を十分な強度で安定に視野中心に捕捉することに成功した。しかしながら、当初使用予定であったSutter社製の高精度ステージが不調でスムーズにサンプル位置を調整できないという問題が生じた。本計測法によるアクトミオシン系の力学操作において、基盤に固定したアクチンフィラメントとトラップされたビーズにコートされているミオシン間の距離の調節は非常に重要であり、ナノメートル精度でのステージ操作は必須である。しかしながら、高精度ステージは非常に高額で本研究予算枠では代用品を準備することは出来ず、また、所属研究室にも同等の装置の予備はなかったためレーザートラップによる計測は断念せざるを得なくなった。新たな計測方法として、当研究室の岩城研究員により新規開発されたDNA折り紙技術を用いた超微細バネを用いた計測を行うことにした。岩城研究員が開発した超微細バネの詳細は省かせていただくが、これにより既存の顕微鏡で力学測定イメージングを行うことができるようになった。現在、本研究のために新たに設計されたサンプルの調整をしており、実用化に向けておおむね目処が立っている段階にある。幾つかの問題により、出だしがだいぶ遅れてしまったが、ラベル率の上昇やイメージング計測によるデータ収集効率の上昇などのポジティブな結果も多く得られており、今後の研究は加速度的に進むと考えている。