著者
油井 雄二
出版者
富山大学
雑誌
研究年報 (ISSN:03851958)
巻号頁・発行日
vol.8, pp.35-57, 1982

小論の目的は,富山,石川,福井の北陸3県の県および市町村の財政状況を過去10カ年にわたって分析し,また全国平均値と比較することによって,北陸地域の地方財政構造の特徴を明らかにすることである。一般的に言えば,地方財政には,国の地方に対する種々の規制を含めた制度的要因,各地方公共団体の自主的な施策,そして各地域の社会,経済構造という3つの要因が絡み合っている。したがって,地方財政のパーフォーマンスを評価しようとする際には,これら3つの要因がどのように地方財政に影響を及ぼしているかを明らかにせねばならない。小論はそのような分析の準備作業として,北陸地域の地方財政がどのような状況にあるのかを,公表データをもとに,把握しようとするものである。分析のあるべき姿からすれば,公表された決算の数字による,いわば外形的な分析にすぎないが,北陸地域の地方財政を対象とする分析は少ないので,予備的段階ではあるけれども,ここに発表することにした。
著者
田近 栄治 渡辺 智之 佐藤 主光 山重 慎二 國枝 繁樹 竹内 幹 別所 俊一郎 林 正義 小林 航 油井 雄二 河口 洋行 菊池 潤
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

長期にわたるデフレと進行する高齢化のなかで日本の財政は、厳しさを増している。同時に経済のグローバル化のなかで賃金は伸び悩み、非正規雇用の増大など雇用の流動化が生じている。そうした経済状況のもと、本研究は税と社会保障を一体でとらえ、受益と負担の実態分析を踏まえ、政策への貢献を目指した。研究成果は個別論文としてだけではなく、雑誌特集号として出版した。そのほか国家戦略相を招聘した政策シンポジウムや、財務省・財務総合研究所との共催事業および書籍出版などにより成果の公表を図った。