著者
千葉 修一 兼松 重任 村上 賢二 佐藤 亨 朝比奈 政利 沼宮内 茂 御領 政信 大島 寛一 岡田 幸助
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.62, no.4, pp.361-365, 2000-04-25
被引用文献数
3

競走中あるいは調教中に骨折した競走馬の血清中上皮小体ホルモン(PTH)およびカルシトニン(CT)レベルをラジオイムノアッセイにより測定し, 正常馬と比較した.橈骨, 第三中手骨, 第三手根骨, 指骨, 脛骨などの大型骨を骨折した競走馬では, 血清中のPTHレベルは正常であったが, CTレベルは上昇していた.種子骨骨折馬では正常馬と比較して, 血清中PTHは統計学的に有意ではなかったが, わずかに高値を示し, CTは統計学的に有意に高値であった.今回検索した競走馬における種子骨および大型骨骨折の病態は, それぞれ異なったカルシウム代謝の状況下で発現した可能性が示唆された.
著者
大島 寛一 岡田 幸助 沼宮内 茂 米山 陽太郎 佐藤 繁 高橋 喜和夫
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.79-81, 1981-02-25
被引用文献数
2

実験には4-5ヵ月齢の子ヒツジ3頭と対照の1頭を用いた. BLV感染雌ウシから吸血途中のアブ(90%以上がTabanus nipponicus)を有孔透明プラスチックカップを用いて, 子ヒツジの皮膚に置き, 吸血を継続させた. この操作を4日間に131-140回/頭行なった. 1頭は寄生虫感染で斃死したが, 吸血後40日目の血清BLV_<gp>抗体は1:8と陽性を示した. 他の2頭は吸血後38日目以来抗体が検出され, はじめ1:16の力価が4-5ヵ月後には1:128あるいは1:256と上昇した. 対照では抗体は認められていない. 以上のことから, 感染したウシから吸血途中で追われたアブが, 別の宿主から吸血を継続する場合, BLVを伝播する可能性のあることが確かめられた.