著者
稲岡 徹 早川 博文 米山 陽太郎
出版者
The Society of Plant Protection of North Japan
雑誌
北日本病害虫研究会報 (ISSN:0368623X)
巻号頁・発行日
vol.1982, no.33, pp.139-141, 1982

1981年6月5日より9月17日まで北海道和寒町の町営三和, 福原両牧野において, 吸血性アブ類の種構成と季節消長を調査した。5属12種が記録され, このうちニッポンシロフアブが全体の約50%を占め, これに次いでアカウシアブ, シロフアブ, ゴマフアブ, キノシタシロフアブ, キバラァブが多かった。アブは6月下旬より9月中旬まで見られ, 種数, 個体数とも7月中旬より8月中旬までが最も多く, 牛体への害もこの時期に集中していた。
著者
大島 寛一 岡田 幸助 沼宮内 茂 米山 陽太郎 佐藤 繁 高橋 喜和夫
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
日本獸醫學雜誌 (ISSN:00215295)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.79-81, 1981-02-25
被引用文献数
2

実験には4-5ヵ月齢の子ヒツジ3頭と対照の1頭を用いた. BLV感染雌ウシから吸血途中のアブ(90%以上がTabanus nipponicus)を有孔透明プラスチックカップを用いて, 子ヒツジの皮膚に置き, 吸血を継続させた. この操作を4日間に131-140回/頭行なった. 1頭は寄生虫感染で斃死したが, 吸血後40日目の血清BLV_<gp>抗体は1:8と陽性を示した. 他の2頭は吸血後38日目以来抗体が検出され, はじめ1:16の力価が4-5ヵ月後には1:128あるいは1:256と上昇した. 対照では抗体は認められていない. 以上のことから, 感染したウシから吸血途中で追われたアブが, 別の宿主から吸血を継続する場合, BLVを伝播する可能性のあることが確かめられた.