著者
一色 賢司 津村 周作 渡辺 忠雄
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.344-349, 1983-06-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
9
被引用文献数
9 9

防カビ剤及び防虫剤の摂取レベルについて検討を加え, 次のような結果を得た.1) 7家庭より採取した1人1日分の喫食直前の飲食物 (陰膳) から防カビ剤が検出された. 平均含有量はジフェニル165μg, オルトフェニルフェノール24μg, チアベンダゾール33μgであった.2) 国民栄養調査による果物の摂取量を基にして可食部に由来する防カビ剤の1人1日当りの摂取量を算出した. その結果得られた防カビ剤の摂取量は, ジフェニル0.29μg, オルトフェニルフェノール0.09μg, チアベンダゾール0.04μgであった.3) 7家庭のいずれの陰膳からも防虫剤ピペロニルブトキサイドは検出されなかった.4) 穀類の摂取量を基にして防虫剤の1人1日当りの摂取量を算出したところ, 1.77μgという値が得られた.
著者
一色 賢司 桃園 裕子 衛藤 修一 津村 周作
出版者
公益社団法人 日本栄養・食糧学会
雑誌
日本栄養・食糧学会誌 (ISSN:02873516)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.481-486, 1988-12-10 (Released:2010-03-01)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

縮合リン酸塩類の摂取原因となる食品を明らかにするために, まず分析法を迅速簡易化した。すなわち均質化した試料5.00gを遠心管に秤り入れ, あらかじめ氷冷した10%トリクロロ酢酸35mlを加えて3分間振とう抽出した。必要に応じて遠心分離を行い, 上清を綿栓ろ過してろ液を50ml容メスフラスコに集めた。1試料につき2本のイオン交換樹脂カラムを用いて, リン酸塩類の定性試験と分画を行った。オルトリン酸 (OP) は, モリブデン錯体として酢酸ブチルで抽出し, 310nmの吸光度を測定して定量した。各縮合リン酸塩 (CP) 分画は, 加水分解後, 発色させ830nmの吸光度を測定して定量した。OPは, 全試料から検出された。各種のCPが, いも類豆類加工品, 肉類・魚介類加工品, 油脂類・乳類加工品およびその他の加工食品等から検出され, これらの食品がCPのおもな摂取原因食品であると推定された。