著者
浅見 豊子
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.116-121, 2022-04-01 (Released:2023-04-15)
参考文献数
8

『関節リウマチ診療ガイドライン2020』が発刊された.バイオ後続品を含むbDMARD, JKA阻害薬等の新規薬剤や手術治療・リハビリテーション治療に対する推奨,薬物治療および非薬物治療・外科的治療のアルゴリズムの作成,医療経済学的評価,患者の価値観・意向の検討など多面的に記載され,RA治療の進歩を感じとれる内容である.しかし一方,『リウマチ白書2020』では「主治医に装具やリハビリについて処方・助言してほしい」という声が18%存在する.RAの治療についてはより一層の進展が期待されるところであるが,患者や家族の声に日頃より耳を傾け,リハビリテーション治療の1つである装具療法の視点からもしっかり支援することが望まれる.
著者
浅見 豊子
出版者
日本義肢装具学会
雑誌
日本義肢装具学会誌 (ISSN:09104720)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.13-17, 2012-01-01 (Released:2013-12-15)
参考文献数
16
被引用文献数
1
著者
八谷 瑞紀 村田 伸 大田尾 浩 井原 雄彦 浅見 豊子
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.7, no.1, pp.19-22, 2017-04-14 (Released:2017-04-15)
参考文献数
12

本研究の目的は,要介護高齢者143名を対象に50m ラウンド歩行テストに影響を及ぼす要因を検討することである。方法は,上下肢筋力,30秒椅子立ち上がりテスト(CS‐30),Functional reach test(FRT),片足立ちテストと50m ラウンド歩行テストとの関連から分析した。50m ラウンド歩行テストと有意な相関を認めたのは,相関係数が高い順にCS‐30(r=-0.48),FRT(r=-0.40),大腿四頭筋筋力(r=-0.23),片足立ちテスト(r=-0.20),握力(r=-0.17)であった。Stepwise 法による重回帰分析の結果,50m ラウンド歩行テストに影響を及ぼす要因は,CS‐30(β=-0.39)とFRT(β=-0.28)が抽出された。これらのことから,50m ラウンド歩行テストは,上下肢筋力や静的バランスよりも筋持久力や動的バランスに影響を受けるテストであることが示唆された。
著者
八谷 瑞紀 村田 伸 大田尾 浩 久保 温子 松尾 奈々 甲斐 義浩 溝田 勝彦 浅見 豊子
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2013, 2014

【はじめに,目的】歩行能力の評価は,5mや10mの短距離における歩行時間を計測することが多い。しかし,元気高齢者では天井効果のために適切に身体機能を把握できない可能性がある。そこで我々は,高齢者のための新たな歩行能力評価法として,多くの施設で確保されている10m歩行路を利用した50m歩行時間を考案した。本研究では,50m歩行時間の有用性について,男性元気高齢者を対象に50m歩行時間中のlap間の所要時間の変化を検討し,つぎに50m歩行時間および5m歩行時間を測定し,下肢筋力,持久力,バランス能力との関連について検討した。【方法】対象は,地域在住の高齢者用フィットネスジムを利用している男性13名(年齢71±3歳)とした。なお,対象者は,自宅生活が自立しており,自家用車などで自ら調査に参加できる者であった。歩行能力の評価は,50m歩行時間のほか5m歩行時間を実施した。身体機能の測定項目は,大腿四頭筋筋力,30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30),開眼片足立ちテスト,Timed Up & Go Test(TUG)を実施した。50m歩行時間は,10mの歩行路間に配置したコーンを3往復折り返して合計60mを歩き,開始からの50mにかかる所要時間を計測する。準備するものは,10mの歩行路,方向転換時の目印(コーン),ラップ機能付きのストップウォッチである。測定方法は,開始前の姿勢は静止立位とし,コーンの横に立つ。被験者への説明として,検査者の合図で歩き出すこと,目印の外側を3往復することを伝えた。その際の歩行条件は最速歩行とした。10mの歩行路を直進し,コーンの外周で方向転換を行い,再び直進歩行を行う。3往復する間は休憩を入れず連続して歩行を行う。ストップウォッチの操作は,歩行開始から40m(2往復目)までは10mごとにラップ計測を行い,50m終了時にストップを押す。記録する評価項目は,50m歩行の所要時間(秒),およびラップ機能で計測したlap1~lap 5の10mごとの所要時間(秒)である。実施する上での注意点として,下記の3点を説明した。第一に,最初に立つ位置は,コーンの左右どちらでもよいこと。第二に,歩行補助具の使用を認めた。しかし,方向転換時に杖をコーンの内側についたり,触れたりすることがないように配慮した。このほか,歩行補助具を使用しない場合であっても,コーンに触れないように事前に説明を行った。第三に,安全確保を最優先に考慮し転倒などの事故には十分に注意した。統計学的分析方法は,対象者の50m歩行時間の方向転換を含まないlap1を除く,lap2からlap 5までの各ラップから得られた所要時間を一元配置分散分析にて比較した。また,50m歩行時間および5m歩行時間の測定値と,身体機能の測定値との関連をピアソンの相関係数を用いて検討した。なお,統計解析にはSPSS19.0(IBM社製)を用い,有意水準は5%未満とした。【倫理的配慮,説明と同意】本研究は,ヘルシンキ宣言に基づいて行われた。対象者に研究の趣旨と内容を十分に説明し,同意を得たうえで測定を開始した。また,研究の参加は自由意思であること,参加しない場合に不利益がないことを説明した。本研究は,事前に施設の施設長の承認を得て実施した。【結果】50m歩行時間のlap2からlap5までに得られた所要時間を比較した結果,すべてのラップ間に有意な差は認められなかった(F=0.16,r=0.92)。歩行能力と身体機能との関連をみたところ,50m歩行時間と有意な相関が認められたのは,大腿四頭筋筋力(r=-0.62,p<0.05),CS-30(r=-0.90,p<0.01),開眼片足立ちテスト(r=-0.70,p<0.05),TUG(r=0.89,p<0.01)であった。一方,5m歩行時間と有意な相関が認められたのは,大腿四頭筋筋力(r=-0.57,p<0.05),TUG(r=0.58,p<0.05)であり,CS-30,開眼片足立ちテストとは有意な相関が認められなかった。【考察】本研究の結果から,50m歩行時間のlap2からlap5の所要時間において有意な差が認められなかったことより,男性元気高齢者では最速歩行を50m行っても,lap間による所要時間の落ち込みはないことが確認された。一方,50m歩行時間は,今回測定を行ったすべての身体機能と有意な相関が認められ,5m歩行時間は,大腿四頭筋筋力,TUGと有意な相関が認められた。以上のことから,5m歩行時間は男性元気高齢者の歩行能力を適切に表すことが困難である可能性が示めされた。また,50m歩行時間は,下肢筋力,持久力,バランス能力と関連が認められたことから,男性元気高齢者の歩行能力を適切に表す歩行能力評価法である可能性が示唆された。【理学療法学研究としての意義】身体機能の評価は,対象者の現状を正確に表せる指標であることが求められる。50m歩行時間は,高齢者の歩行能力を適切に評価する指標として期待できる。
著者
益川 眞一 忽那 龍雄 浅見 豊子 西川 英夫
出版者
West-Japanese Society of Orthopedics & Traumatology
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.936-941, 1991-03-25 (Released:2010-02-25)
参考文献数
8

We reported end-results of 19 cases (13 males and 6 females) with patellar fracture, who entered our clinic. These cases were 17 to 78 years old, and followed for 1 years and 8 months to 7 years and 10 months (mean, 4 years and 6 months). They were evaluated for the range of motion of the knee joint, Pain, limping, muscle atrophy of quadriceps and grade of satisfaction. The clinical results were excellent in 11 cases, good in 5, fair in 3 and poor in none. Their main complaint was fatigue of knee, and those patients had muscle atrophy of quadriceps. Comminuted fracture and the step-off of articular surface after treatment contributed to poor results.