著者
河野 健 海洋研究開発機構地球環境変動領域海洋環境変動研究プログラム
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.127-137, 2010-03-15
参考文献数
23

2009年6月に開催されたIntergovernmental Oceanographic Commission(IOC)の第25回総会において,現在の海水の状態方程式(Practical Salinity Scale 1978 and International Equation of State of Seawater 1980:EOS-80)に代わる新しい海水の状態方程式(Thermodynamic Equation of Seawater 2010:TEOS-10)の採用が承認された。EOS-80は,その方程式の中で実用塩分スケール(Practical Salinity Scale 1978:PSS-78)で定義される実用塩分(Practical Salinity,S_P)を用いていたが,TEOS-10では,実用塩分ではなく,絶対塩分(Absolute Salinity,S_A)が用いられている。本報では新たな状態方程式(TEOS-10)に関して,関係する主要な論文を基に,特に塩分の定義を中心に紹介する。
著者
三宅 裕志 山本 啓之 北田 貢 植田 育男 大越 健嗣 喜多村 稔 松山 和世 土田 真二 Hiroshi Miyake Hiroyuki Yamamoto Mitsugu Kitada Ikuo Ueda Kenji Okoshi Minoru Kitamura Kazuyo Matsuyama Shinji Tsuchida 新江ノ島水族館:海洋研究開発機構(JAMSTEC) 新江ノ島水族館 新江ノ島水族館 新江ノ島水族館 石巻専修大学 海洋研究開発機構(JAMSTEC) 海洋研究開発機構(JAMSTEC) 海洋研究開発機構(JAMSTEC) Enoshima Aquarium:Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology Center (JAMSTEC) Enoshima Aquarium Enoshima Aquarium Enoshima Aquarium Ishinomaki Senshu University Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology Center (JAMSTEC) Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology Center (JAMSTEC) Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology Center (JAMSTEC)
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.14, no.6, pp.645-651, 2005-11-05
参考文献数
9
被引用文献数
1 4

シロウリガイ類は深海から採集すると通常2, 3日しか生存せず, 飼育を試みた報告は皆無であった。本研究では, シロウリガイ類の飼育の試みとして, 良好な健康状態で採集し, かつシロウリガイ類の共生細菌のエネルギー源(泥中の硫化水素)を確保するために, 圧力以外の現場環境をできる限り維持した状態で採集する装置のMTコアを開発した。また, シロウリガイ類は高酸素濃度に弱いため, 溶存酸素濃度制御装置により低酸素濃度環境を維持する飼育システムを製作した。シロウリガイとエンセイシロウリガイをそれぞれ相模湾初島沖水深1,150m~1,160mの地点, 石垣島沖の黒島海丘の643mの地点で採集した。採集したシロウリガイは約1週間で死亡したが, 黒島海丘のエンセイシロウリガイは17日間生存した。また, エンセイシロウリガイでは2回放卵が確認された。以上のことから, エンセイシロウリガイは飼育が容易な種と考えられた。