著者
岡本 恵介 小泉 圭輔 廣島 佑 渡辺 重佳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.511, pp.81-86, 2008-02-29

3次元型トランジスタを用いたシステムLSI設計法、特に素子領域のパターン面積の縮小効果について検討した(検討したモチーフはNAND,NOR等の基本回路とテーパ型バッファ回路)。この検討により、FinFETを用いることでパターン面積が大幅に削減できる可能性が有ることがわかった。そこで、CMOSセルライブラリヘ"平面型+FinFET型"方式を適用し、側壁チャネル幅を最適化することにより、動作速度、消費電力等の性能を犠牲にする事無くシステムLSIの素子領域のパターン面積を従来の平面型の場合の約40%に縮小できることを示した。今後設計上の幾つかの検討項目を解決することにより、"平面型+FinFET型"方式は将来のシステムLSI実現の有力な候補になる。
著者
渡辺 重佳
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J106-C, no.11, pp.403-404, 2023-11-01

複数入力可能な複数入力積層型Gate-All-Around (GAA)トランジスタ構造を新たに提案した.8F2(Fはデザインルール)の微細なパターン面積の中に高速低電力なCMOS NAND,NOR回路が実現できることを初めて示した.ロジックLSIで良く使用される入力数4の場合,過去最少のパターン面積を実現した積層型SGTと比較して高速性能を保持しつつ平面パターン面積を40%に縮小できる.
著者
渡辺 重佳
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会誌 (ISSN:13405551)
巻号頁・発行日
vol.141, no.5, pp.261, 2021-05-01 (Released:2021-05-01)

2005年に(株)東芝を退職し,以来15年間,湘南工科大学の教員を務めています。この原稿の執筆中の2021年1月には学長に就任して2年近くになります。大学在籍中に後述する3次元型メモリや論理LSIに関する10件以上の論文を電気学会の論文誌に掲載させていただき誠に
著者
渡辺 重佳
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 C (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.J92-C, no.8, pp.467-476, 2009-08-01

本論文では現在の半導体メモリ市場の主流製品であるDRAM,フラッシュメモリと今後の大きな市場が期待される FeRAM ,MRAM,PRAM, ReRAM 等の新型メモリの過去40年の歴史とその将来展望に関して述べる.DRAMではメモリセルの構造とメモリセルサイズの縮小が重要であり,その高速性のため,パソコンの主記憶等に使われる.マルチメディア情報の記憶媒体として使われるフラッシュメモリは不揮発性特性と低コスト技術が重要であり,低コスト化のため多値化,積層化が進められている.新型メモリは近い将来は各メモリ固有の研究開発状況に合わせた製品化が重要だが,将来はDRAMとフラッシュメモリの特性を併せ持つユニバーサルメモリの実現が期待される.
著者
渡辺 重佳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.86, no.6, pp.658-660, 2003-06-01
被引用文献数
18

動作時の微細MOSFETのゲートリーク電流が低消費電力用2電源(V_H,V_L)方式に及ぼす影響について解析した.ゲートリーク電流によるシステムLSIの動作時の消費電力は従来の充放電による消費電力同様にV_L/V_H=0.6〜0.7で最小になり,消費電力の削減効果は充放電のときよりも更に15%程度大きくなる.
著者
高島 大三郎 大脇 幸人 渡辺 重佳 大内 和則 松永 準一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SDM, シリコン材料・デバイス
巻号頁・発行日
vol.96, no.225, pp.43-49, 1996-08-22

DRAMの超高密度, 超高バンド幅化に伴って, 寄生インダクタンス起因の電源ノイズ (逆相, 同相ノイズ) が深刻な問題となってきた. 本論文では, 第1に, LSI内部の消費電流ピークにもかかわらず, 外部電源Pinの電流をほぼ一定に保つ事が出来る「定電流降圧回路」を提案している. 逆相電源ノイズを1/5に低減出来る. 第2に, 出力データを部分的に反転することにより, 同相ノイズを1/4〜1/8に低減出来る「部分反転データBUS方式」を提案している. 16〜32GB/sの超高バンド幅を実現出来る.