著者
橋本 健夫 川上 昭吾 戸北 凱惟 堀 哲夫 人見 久城 渡邉 重義 磯崎 哲夫
出版者
長崎大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

社会の成熟に伴って多様な価値観が存在するようになった。その中で一般に勝ち組、負け組と言われる二層が存在するようになり、それが教育格差をも生じさせている。また、学校教育においては、いじめ、不登校などの問題が深刻になるとともに、数学や理科における学力の低下という新たな課題も生まれてきている。特に後者は、科学技術創造立国を掲げる日本社会にとって憂慮すべき課題である。本研究は、それらの指摘を踏まえた上で、科学技術創造立国を支える学校教育のあり方を追究したいと考えた。平成17年度は社会が学校に何を期待するかや諸外国の学校事情等を調査し分析した。本年度においては次の調査等を行い、研究テーマに迫りたいと考えた。(1)子ども達の理科に対する意識調査(2)韓国や中国等における自然科学教育の実態調査(3)日本・中国・韓国の研究者を招いてのシンポジウムの開催これらを総合的に討議した結果、自然科学をバックボーンにした従来の理科学習に代わって職業観の育成等を組み込んだ理科学習や、現行の小・中・高の学校制度を見直す時期に来ているとの認識で一致した。この認識の是非を小中学校の教員に尋ねたところ、半数以上の教員が賛同を示した。二年間の研究期間ではあったが、学校教育の中における自然科学教育の課題を浮かび上がらせ、その解決に向けた提案をすることができたと考えている。
著者
池田 秀雄 渡邉 重義
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

理科の授業において、実験観察は不可欠であり、開発途上国においては簡易的な実験手法の開発、実験材料の開発、地域の実態に合わせた改良工夫などが必要である。また、同時に教科書やシラバスの分析も必要である。本研究の最終年度にあたりまず、バングラデシュ、ザンビア、カンボジア、マレーシアおよびガーナの中等理科教科書・シラバス分析を行った。次いで、バングラデシュ、カンボジアおよびガーナの教育現場の実態調査を行い、問題点を解析した。その結果、シラバスはどこの国においてもあまり大きな問題点は見られなかったが、教科書においては、記述が不正確、教授順序が構造化されていない、生徒の発達段階が考慮されていない、生徒実験が少ない、など多くの問題点が指摘された。また、教育現場においてはほとんど生徒実験がなされていない実態が明らかとなった。そこで、広島大学によってバングラデシュで実施している教員再研修プログラムを通して、現場で実施可能な理科実験観察教材を開発した。開発した教材を実際の教員再研修に組み込んで試行し、その有用性を検証した。さらに、上記で開発した教材を、広島大学の大学院生のインターンシップとしてフィリピン大学理数科教師訓練センターの教員再研修に用いた。以上の結果、本研究で開発した生徒実験教材は、教員再研修において極めて有用であることが実証された。これらの結果は、本科学研究終了後も、ザンビア、カンボジア、マレーシア、ガーナの生徒実験開発の指針となる。