著者
中村 覚 大和 裕幸 稗方 和夫 満行 泰河 鈴木 淳 吉田 ますみ
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.267-277, 2018-02-15

近年,デジタルアーカイブの普及にともない,インターネットを介した歴史資料(以下,史料)へのアクセスが容易となっている.一方,研究者が研究対象とする史料のすべてがインターネット上で公開されているとは限らず,また実証的な歴史研究が現存するすべての関係史料を検討することを基本にするため,実際に文書館や図書館に赴き,史料の収集を行う例も多い.本研究では史料収集や整理に多大な労力を要する歴史研究の支援を目的とし,複数の研究者の共同作業による史料収集・整理プロセスの効率化,および異なる専門知識を有する研究者の協調的な史料分析を支援するシステムを開発する.また,外交文書の送付先の決定過程に関する歴史研究を行い,開発したシステムの有用性を評価する.
著者
中村 覚 大和 裕幸 稗方 和夫 満行 泰河
出版者
日本デジタル・ヒューマニティーズ学会
雑誌
デジタル・ヒューマニティーズ (ISSN:21897867)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.29-43, 2018 (Released:2019-01-18)
参考文献数
25

近年,デジタルアーカイブの普及に伴い,セマンティックウェブ技術を活用したデジタルアーカイブの統合や,年表や地図等との組み合わせによる多角的な情報提供による史料研究支援が試みられている.このような取り組みは効率的な史料研究を支援する点で重要であるが,これらはデジタルアーカイブを公開する提供者による取り組みが主である.歴史研究者をはじめとする史料の利用者が,公開されている史料を収集・整理し,史料分析を支援する環境は整えられていない.本研究では,SPARQL Endpoint を提供するデジタルアーカイブが公開する情報と,研究者が個々に整理する情報を Linked Data を用いて関連づけ, 研究者の目的に応じた史料分析を支援するシステムを開発する.また,異なる 2 つのデータベースを対象としたケーススタディを行い,提案手法の有用性を検証する.
著者
中村 覚 大和 裕幸 稗方 和夫 満行 泰河
出版者
デジタルアーカイブ学会
雑誌
デジタルアーカイブ学会誌 (ISSN:24329762)
巻号頁・発行日
vol.1, no.Pre, pp.71-75, 2017-09-08 (Released:2017-09-08)
参考文献数
5

歴史学研究は、歴史資料(以下、資料)の目録データの作成や整理を行う「資料管理」、研究者が資料を用いて研究課題の解明に取り組む「資料研究」、資料や研究成果を広く一般に公開する「成果公開」の三つのプロセスに整理することができる。各々のプロセスは、取り扱うデータや活動主体の違いにより、独立して進められることが多い。本研究では、上述したプロセス間の有機的な連携を支援することを目的とし、各プロセス間で取り扱うデータをLinked Dataを用いて関連づけ、それらを相互に利用可能なシステムを提案する。また、海軍造船中将・第13代東京帝国大学総長であった平賀譲が遺した資料群『平賀譲文書』を対象とした適用事例を通じ、提案するシステムの有用性を評価する。
著者
大久保 友結 満行 泰河
出版者
公益社団法人 日本船舶海洋工学会
雑誌
日本船舶海洋工学会論文集 (ISSN:18803717)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.115-123, 2023 (Released:2023-08-03)
参考文献数
18

Shipbuilding is one of the most complex production systems in the manufacturing industry because of the incredible variety of parts and highly complex processes. However, production plans are currently prepared manually depending on the experience of expert workers. In this paper, a production planning method based on shipbuilding process simulation is proposed for use in actual shipyards, which simultaneously satisfies the needs of both production managers, who require on-time delivery plans, and field workers, who aim to minimize waiting time and improve operating rates. Specifically, the authors developed a hybrid method that combines backward and forward simulation for planning front-loading to meet deadlines and reduce waiting time. In the case study, the method was applied to a sub assembly conveyor line in an actual shipyard to demonstrate the validity and feasibility of the simulation results.
著者
中村 覚 大和 裕幸 稗方 和夫 満行 泰河 鈴木 淳 吉田 ますみ
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.267-277, 2018-02-15

近年,デジタルアーカイブの普及にともない,インターネットを介した歴史資料(以下,史料)へのアクセスが容易となっている.一方,研究者が研究対象とする史料のすべてがインターネット上で公開されているとは限らず,また実証的な歴史研究が現存するすべての関係史料を検討することを基本にするため,実際に文書館や図書館に赴き,史料の収集を行う例も多い.本研究では史料収集や整理に多大な労力を要する歴史研究の支援を目的とし,複数の研究者の共同作業による史料収集・整理プロセスの効率化,および異なる専門知識を有する研究者の協調的な史料分析を支援するシステムを開発する.また,外交文書の送付先の決定過程に関する歴史研究を行い,開発したシステムの有用性を評価する.Digital archive has become popular recently, and this facilitates easy access to historical materials by the Internet. On the other hand, it is still common for researchers to gather materials by going to libraries and archives. This is because empirical historical research requires to examine all materials related to research objectives. In this study, the system is developed in order to gather and manage materials efficiently and support collaborative research with several researchers. This system manages materials on the Internet, and enables several researchers to accumulate and analyze materials collaboratively, which takes a great deal of effort individually. The effectiveness of the proposed system is evaluated by an experiment with several researchers to analyze the process of deciding addresses of diplomatic documents.