著者
溝口 忠 高橋 誠 小野 大介 堀 雅宏 谷口 眞
出版者
社団法人 におい・かおり環境協会
雑誌
におい・かおり環境学会誌 = Journal of Japan Association on Odor Environment (ISSN:13482904)
巻号頁・発行日
vol.40, no.1, pp.11-17, 2009-01-25
参考文献数
14

賃貸集合住宅で居住者退去後に問題となる前居住者の生活残留臭の除去方法を実験により検討した.処理法としては3種の植物性オイルミスト,グラフト重合高分子塗膜剤処理,オゾン処理を取り上げた.ペット臭・煙草臭・芳香臭を着臭させたペーパータオルについてスクリーニング試験を行い,比較的効果の高い方法を実住宅に適用して評価した.塗膜処理はスクリーニング試験では有効であったが,実住宅では大きな効果は見られなかった.オゾン処理は10ppm 14時間処理で臭気強度4から2に低下することができた.これらの検討を通して残留臭気の除去ついての知見が得られた.
著者
溝口 忠孝 津本 智幸 鶴崎 雄一郎 徳永 聡 桑城 貴弘 矢坂 正弘 岡田 靖
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.81-85, 2018 (Released:2018-03-23)
参考文献数
18

特発性内頸動脈解離に対し,頸動脈ステント留置術を行い,良好な転帰を得た1 例を報告し,その原因を考察する.症例は30 歳男性.患者は睡眠時に頸をかしげた状態で寝てしまう習慣があった.起床後入浴中に頸部痛,運動性失語,右半身麻痺を呈した.頭部MRI では左基底核と左前頭葉深部に微小梗塞を認め,MRA では左内頸動脈の偽性閉塞を認めた.諸検査から頸動脈解離に伴う偽性閉塞と診断し,来院時には無症候性であることから内科治療を選択した.しかし,第4 病日目に行った血管撮影でも内頸動脈偽性閉塞所見は全く改善していないため頸動脈ステント留置術を施行し,脳血流の改善を認めた.後遺症なく15 病日目に自宅退院となった.本症例では発症機序としては入眠時の特徴的な姿位による頸部の過伸展が関与していると考えられた.内頸動脈解離の発症機序に関して,十分な病歴,生活習慣の聴取をすることも肝要であると考える.