著者
森澤 紀彦 佐藤 博之 松山 桃子 林 直美 安達 章子 佐藤 順一 横尾 隆 雨宮 守正
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.105, no.12, pp.2432-2440, 2016-12-10 (Released:2017-12-10)
参考文献数
6
被引用文献数
1

TAFRO症候群は,血小板減少(thrombocytopenia),腔水症(anasarca),発熱(fever),骨髄線維症(myelofibrosis),腎機能障害(renal dysfunction),臓器腫大(organomegaly)を特徴とする.症例は66歳,男性.7カ月前に血小板数減少を指摘され,約1カ月前より腹痛,胸腹水貯留が生じた.前医入院後に腎機能障害が出現し,当院転院となり,TAFRO症候群と診断した.比較的急峻な経過を辿るもステロイドおよびシクロスポリンによる治療で改善した.血小板減少を伴う腎機能障害の鑑別にTAFRO症候群を挙げることが肝心である.
著者
森澤 紀彦 大瀧 佑平 菅野 直希 奥野 憲司 卯津羅 雅彦 三井 理華 遣田 美貴 武田 聡 横尾 隆
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.50, no.5, pp.315-320, 2017 (Released:2017-05-28)
参考文献数
22

リチウム中毒は双極性障害の治療に用いられるが, 有効血中濃度領域は比較的狭く中毒域が近いこと, 多岐にわたる中毒症状が注意点としてあげられる. 今回われわれは, 炭酸リチウム24gを内服し, 意識障害およびQT延長をきたした急性リチウム中毒を経験したので報告する. 症例は26歳女性, 希死念慮を認め, 炭酸リチウム24gを過量服薬した. 意識障害を呈したため当院救急搬送され, 過量服薬後1時間程度で胃洗浄を施行, 心電図で軽度のQT延長を認め, 急性リチウム中毒を疑い, 持続的血液透析を開始した. 開始後, 症状改善し, 血中リチウム濃度の再上昇を認めず, 経過良好にて第7病日に退院となった. リチウムは非常に透析性の高い物質であり, 循環動態が不安定な場合には持続的血液透析が望ましい. 急性中毒に対して早期の血液透析開始により, 血中リチウム濃度を低下させ, 脳内および各組織におけるリチウム濃度の上昇抑制が可能となることが示唆された.
著者
石原 祥太郎 澤 紀彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第35回 (2021)
巻号頁・発行日
pp.1D2OS3a03, 2021 (Released:2021-06-14)

本研究では,ニュース記事を文章選択・圧縮で要約する手法を提案する.具体的には,記事を代表するN個の文章を抽出し,構文解析で各文章を圧縮する.指標としてMMR(Maximal Marginal Relevance)とTF-IDF(Term Frequency - Inverse Document Frequency)を用いた.実験の結果,提案手法は人間の編集者の作業と約26.7%の割合で同一の話題に言及していた.必ずしも高い一致率とは言えないが,それ以外の生成物も日本語として誤りが少なく,候補として採用できるものが多かった.提案手法には特定の語句の重み付けなどで編集者の意図を組み込みやすく,編集者の負担軽減に繋がる利点がある.
著者
早澤 紀彦
出版者
公益社団法人 日本表面科学会
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.34, no.11, pp.580-585, 2013-11-11 (Released:2013-11-19)
参考文献数
46
被引用文献数
2

The synergy of scanning probe microscope and optical microscope realizes a promising sensing technique in surface characterization in the nanoscale with a high chemical sensitivity, which is not attainable by a simple topographic contrast. This paper introduces one of the synergy tools, that is, near-field scanning optical microscope particularly the use of a sharp metallic probe tip. While optical microscope exhibits a high chemical sensitivity, the spatial resolution of conventional optical microscopes using lens is diffraction limited due to wave nature of light. The key technique to break through this limitation is surface plasmon polariton excitation at the tip, which is promising for both high spatial resolution and high sensitivity. This technique has been recently recognized as tip-enhanced near-field spectroscopy.