著者
澤木 勝茂 尾崎 俊治 田畑 吉雄 竹澤 直哉 八木 恭子 佐藤 公俊
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究成果の概要は次の4点まとめることができる。(1)投資家と発行体の双方に償還ならびに権利行使のオプションが付与された条件付請求権の評価を2つの境界条件をもつ最適停止問題として定式化し、最適な償還政策と最適な権利行使政策の定性的な性質の分析を行った。(2)従来の在庫管理モデルにスポット市場での商品調達を導入し、ファイナンスと在庫管理モデルとの架橋を試みる研究を行った。最適ポートフォリオと企業の格付け理論についての研究会を実施した。(3)リアル・オプションによる企業評価モデルへの応用および実物資産に対するリアル・オプションによる評価(担当:竹澤・尾崎・八木)-リアル・オプションの接近法によるサハリン・プロジェクト2の共同開発協定の財務的評価について研究した。(4)レジューム・シフトによる資産価格過程のモデル化をおこない、従来のモデルでは説明できなかった資産評価モデルに「レジューム・シフト」を導入することによって投資家の行動と資産価格を説明するモデルの構築を行った。サプライチェーンマネジメントと資産評価モデルとの架橋を試みた。
著者
鈴木 敦夫 長谷川 利治 伏見 正則 尾崎 俊治 澤木 勝茂 佐々木 美裕 鈴木 敦夫
出版者
南山大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

本研究の成果は3つテーマに関して得られた。具体的には,Iインフラストラクチャーの最適運用・設計に関する研究,その中に,I-1高速道路の最適運用に関する研究,I-2救急車の最適運用に関する研究,I-3ハブ空港の最適配置の研究,I-4配置の数学モデルに関する研究,I-5その他最適化手法の応用,派生研究として,IIセンサーネットワークに関する研究,IIIファイナンス工学に関する研究にまとめられる。IIは,都市内のインフラストラクチャーの維持管理にワイアレスセンサーを用いることができる可能性から研究を進めた。IIIは,都市の開発プロジェクトをリアルオプションと呼ばれるファイナンス工学の応用手法をもちいることで定量的に評価できる可能性から研究を進めた。Iでは,高速道路の交通量データの分析,災害時避難経路問題の解法、救急車の配置問題の解法の提案、競争化でのハブ空港の配置問題,都市内の商業施設の競争的な配置の問題の解法の提案を行った。災害時に地下街や大学キャンパスから避難する方法をシミュレーションの手法を用いて分析を行った。IIでは,都市内の配置問題から派生して,センサーネットワーク関連の配置問題に取り組んで成果を挙げた。センサーネットワークの問題は,例えば,都市のインフラのひとつである橋梁の保守などにも用いることができる。橋梁の要所にセンサーを配置し,亀裂などの崩壊の兆しを事前に感知して警報を発することなど広く応用が期待される。ここでは,効率的なセンサーの配置について研究を行った。IIIでは,金融商品の分析、特に転換社債のゲーム論的な分析を行った。今後は都市内のプロジェクトを金融派生商品として評価する金融手法の基礎となる研究成果である。
著者
木村 俊一 澤木 勝茂 井上 昭彦 鈴木 輝好 辻村 元男 鈴木 淳生 高嶋 隆太 八木 恭子 後藤 允 中野 張
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

「OR指向ファイナンス」とは,数理ファイナンス理論をオペレーションズ・リサーチ(OR)における意思決定支援という観点からそのモデル作りを見直そうという本研究の基本概念である.この基本概念の下に,5つの研究テーマ(1) オプション価格評価;(2) 仕組債の価格評価;(3) 数理ファイナンス理論 (4) 企業ファイナンスにおける価値評価;(5) リアルオプションに対する数理モデルの開発とそれらの応用に関する研究を行い,数多くの国際的な研究成果を得た.