著者
又賀 駿太郎 五郎丸 英貴 Costea Ion アンドリーセン スヴェン ティーマン ティース 澤田 剛 高橋 和文
出版者
九州大学機能物質科学研究所
雑誌
九州大学機能物質科学研究所報告 (ISSN:09143793)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.157-164, 2000
被引用文献数
1

Oxadiazolopyridine compounds have seen synthesized with the aim of preparing red fluorescent organic material for organic electrolum inescent devices. 10-Oxoindenooxadiazolopyridines, which were synthesized from acetophenone derivatives in 4 steps, show red fluorescence in the solid state, albeit with a weak intensity. 10-Hydroxy derivatives emit fluorescence of yellow to orange color, however these compounds are instable in air. Oxadiazolopyridenes having thiophene and furan rings at the 4- and 7-positions, prepared from the corresponding heterocyclic methyl ketones, emit intense red fluorescence above 600nm in the solid state. Of special note is 4,7-di(5'-phenyl-2'-thienyl)oxadiazolopyridine which shows red fluorescence at 669nm. An EL device using 5'-phenyl-2'-thienyl derivative as a light-emitting materials was fabricated by Kyushu Matsushita corporation. This device emitted red EL at 680nm. In the cyclic voltammogram, oxadiazolopyridines show a reversible redox wave at -0.9~-1.17V. The oxadiazolopyridine ring having an electron-withdrawing substituent was reduced at low cathodic potential.
著者
澤田 剛 MALIK A.K. MALLIK A.K.
出版者
熊本大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2010

環境科学、食品科学、臨床医学などの分野で重要な物質の幾何異性体を、高速液体クロマトグラフィによって分離、分析することは、分析化学の分野で重要な課題である。本研究では、高選択的な逆相高速液体クロマトグラフィー(RP-HPLC)に利用可能な、新奇な交互共重合ポリマーシリカハイブリッド型充填剤を開発することを目的としている。平成24年度は、分子ゲルを形成するL-グルタミド脂質を末端に導入し、アミド基を高密度で配向制御した超薄膜シリカ微粒子(si1-FIP)を合成し、RP-HPLC充填剤としての可能性を検討するとともに、これまでの研究成果をまとめて、図書の1章として発表した。Si1-FIPは、L-グルタミド脂質を合成してアミド基を置換後、アミノイソプロピルトリメトキシシラン(APS)修飾シリカ表面に導入して合成した。Si1-FIPを充填剤としてRP-HPLCを行った結果、多環芳香族類、特に、o-,p-ターフェニルの分離において高い形状選択性を示した(α_p<-/o-Terpheny1>=24.9)。また、これまでの研究成果を総括した結果、電荷移動相互作用を利用したN-マレイミド-オクタデシルアクリル酸エステルの交互共重合体や分子ゲル構造を利用した超薄膜を形成することで、アミド基やカルボニル基を高密度で配向制御した超薄膜が形成できることを見いだした。超薄膜シリカ微粒子をRP-HPLCの充填剤に利用することで、トコフェノール類やステロイド類、多環芳香族類をそれぞれ高い形状選択性を示した。特にトコフェノール異性体では、25min以内で完全分離が可能となった。これはL-グルタミド脂質部位とアミド基による水素結合、カルボニルπ相互作用等の弱い相互作用の多点集積化により、形状認識能が向上したためと考えられる。
著者
伊原 博隆 高藤 誠 澤田 剛
出版者
熊本大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2009

本研究課題は、新奇反応の開拓や機能材料を創造する新しい手法の開発・確立を目的として、極限環境場としてのメガGレベルの超重力場に着目し、各種モデル反応をデザインしながら有機反応やナノ傾斜構造化を実施した。本報告では下記の三つの研究課題について成果報告を集録した。(1)高分子電解質中でのアルカリ金属の選択的輸送現象の誘起と傾斜構造化の実現(2)有機半導体の傾斜複合化(3)ラジカル付加反応おける新奇立体選択の発掘
著者
又賀 駿太郎 澤田 剛
出版者
九州大学
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1998

スルースペース相互作用が可能な位置にベンゼン環を積層したパラシクロファン、メタシクロファンは垂直方向にパイ電子系を拡張した系であるが、これらのシクロファンでは、ベンゼン環は平面性を保持出来ずボート型に歪んでいる。著者らは、ベンゼン、ナフタレン環が平面性を保持したまま接近して積層した3層、4層[3.3]オルトシクロファンを合成し構造を明らかにした。以下に結果を示す。1) 弱塩基を用いてアセトンジカルボン酸ジエステル5とビス(プロモメチル)ナフタレンあるいはビス(プロモメチル)ベンゼンを反応させ、ナフトシクロヘプテンを合成し、次いで、テトラキス(プロモメチルベンゼン)を弱塩基を用いて反応させて、4個の芳香環をを持つトリスケトンテトラエステルを合成した。これを加水分解、加熱脱炭酸してトリスケトン体を得、ケトン基をアセタール化して4層積層オルトシクロファンを合成した。ベンゾ/ベンゾ/ベンゾ-、ナフト/ベンゾ/ナフト-3層オルトシクロファン、ベンゾ/ベンゾ/ベンゾ/ベンゾ-4積層オルトシクロファンも同様な方法により合成した。2) 多層積層ファンの1H NMRでは、上下の芳香環で挟まれたベンゼン環のプロトンは高磁場シフトした。また、3層、4層ベンゾファンのUVスペクトルでは、積層構造に基く吸収帯の長波長シフトが見られた。3) 3層ナフト/ベンゾ/ナフト- 及びベンゾ/ベンゾ/ベンゾ-オルトシクロファンのX線結晶構造解析を行った。いずれのファンにおいても、積層したベンゼン環は平面性を保持したままスペース相互作用が可能な位置に近接し、積層した環の面間角は、2層ファンからから3層ファンへ積層数が増加するにつれて狭まっている。